カシオ計算機株式会社 2023年度有価証券報告書
はじめに総括
特記事項
2023年度のカシオ計算機株式会社は、売上高が前年に比べて増加したものの、営業利益と純利益が減少するというトレンドが見られました。特に、時計セグメントは売上高が増加したものの、営業利益は減少し、利益率も低下しています。これにより、全体的な収益性が圧迫されている状況です。
2023年度の総括
カシオ計算機株式会社は、2023年度において総資産が3,498億円(前期比146億円増)に達し、流動資産が2,463億円(前期比139億円増)と増加しました。流動負債は752億円(前期比83億円減)で、短期的な支払い能力が向上しています。一方、固定負債が435億円(前期比134億円増)となり、長期借入金の増加が見られます。純資産は2,311億円(前期比95億円増)で、自己資本比率は66.1%と安定していますが、ROEは5.3%(前期比0.6ポイント減)と若干の減少が見られます。
来年度以降の事業計画
- 新たな価値創造: 各事業品目において新たなコアブランドを確立し、企業価値を最大化することを目指します。
- コスト管理の強化: 営業利益の減少を受けて、コスト削減策を講じ、収益性の改善を図ります。
- 環境への配慮: 2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げ、持続可能な経営を推進します。
- 人材育成: 自律的なキャリア形成を支援し、社員の能力向上を図ります。
今後の動向予測
カシオ計算機株式会社は、売上高の増加を維持しつつ、営業利益と純利益の改善に向けた取り組みが求められます。特に、時計セグメントの収益性向上が重要です。市場環境の変化や競争の激化に対して、柔軟な対応が必要です。また、環境への配慮や人材育成に注力することで、企業の持続可能な成長が期待されます。
資産、負債、純資産の構成とトレンド
1. 資産
項目 | 金額(億円) | 前期比 |
---|---|---|
総資産 | 3,498 | 146億円増 |
流動資産 | 2,463 | 139億円増 |
固定資産 | 1,035 | 6億円増 |
2. 負債
項目 | 金額(億円) | 前期比 |
---|---|---|
負債合計 | 1,187 | 51億円増 |
流動負債 | 752 | 83億円減 |
固定負債 | 435 | 134億円増 |
3. 純資産
項目 | 金額(億円) | 前期比 |
---|---|---|
純資産 | 2,311 | 95億円増 |
自己資本比率 | 66.1% | 横ばい |
ROE | 5.3% | 0.6ポイント減 |
トレンド分析
資産は増加傾向にあり、流動資産が特に増加しています。負債合計は増加していますが、流動負債は減少しており、固定負債が増加しています。純資産は増加しており、自己資本比率は安定しています。ROEは若干の減少を示していますが、依然として健全な水準です。
収益性の分析
収益性の指標
項目 | 2023年度 | 2022年度 |
---|---|---|
売上高 | 2,688億円 | 未記載 |
営業利益 | 142億円 | 未記載 |
純利益 | 119億円 | 未記載 |
トレンド分析
売上高は増加しているものの、営業利益と純利益は前年に比べて減少している可能性があるため、コスト管理や収益性の改善が今後の課題となるでしょう。
キャッシュフローの分析
営業活動によるキャッシュ・フロー
305億円(前期比191億円増)
投資活動によるキャッシュ・フロー
2億円の支出(前期比29億円支出減少)
フリー・キャッシュ・フロー
302億円(前期比221億円増)
財務活動によるキャッシュ・フロー
218億円の支出(前期比66億円支出増加)
現金及び現金同等物
1,446億円(前期比144億円増)
将来の業績予測と中期計画
将来の業績予測
- 温室効果ガス排出量削減目標: 2030年度までに38%削減
- 人的資本投資: 健康経営優良法人2024に認定
- 自律人材育成: キャリアサポート制度を通じて支援
- 気候変動への対応: 2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロに
中期計画
経営方針として市場に新たな価値軸を創り出し、2030年度までに各事業品目に新たなコアブランドを確立することを目指します。
配当金支払額
年度 | 配当金総額(百万円) | 1株当たり配当額(円) |
---|---|---|
2022年度 | 5,418 | 22.5 |
2023年度 | 5,382 | 22.5 |