【ファンダメンタル分析】富士製薬工業【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

2023年度の富士製薬工業株式会社は、流動資産と固定資産が共に増加し、総資産が85,332百万円に達しました。特に流動比率が131.5%に改善し、短期的な支払い能力が非常に良好であることが確認されました。一方で、流動負債が大幅に増加したことは懸念材料です。

2023年度の総括

富士製薬工業株式会社は、2023年度において以下のような財務状況を示しました。

  1. 資産の増加: 流動資産は39,114百万円(前期比 +4,386百万円)、固定資産は46,218百万円(前期比 +5,407百万円)で、総資産は85,332百万円に達しました。
  2. 負債の状況: 流動負債は29,771百万円(前期比 +5,795百万円)と大幅に増加しましたが、固定負債は14,383百万円(前期比 -1,372百万円)と減少しています。
  3. 純資産の増加: 純資産は41,177百万円(前期比 +5,371百万円)で、自己資本比率は48.3%を維持しています。
  4. 流動比率の改善: 流動比率は131.5%に達し、短期的な支払い能力が非常に良好であることが確認されました。

来年度以降の事業計画

  1. 研究開発の強化: 2023年度の研究開発費は3,184百万円で、連結売上高に占める割合は7.8%です。
  2. 設備投資の拡大: 設備投資の総額は3,652百万円であり、今後も生産設備や研究開発設備の拡充を図る予定です。
  3. 国際展開の推進: Alvotech S.A社との独占的なパートナーシップを活用し、バイオシミラーの商業化を進めることで、グローバル市場への進出を図ります。

今後の動向予測

  1. 流動負債の管理: 流動負債の増加が懸念されるため、資金繰りや負債管理が重要な課題となります。
  2. 収益性の向上: 研究開発の成果が新薬の上市につながれば、売上高の増加が期待されます。
  3. 市場競争の影響: 医薬品市場における競争が激化する中、特許切れや後発品の増加が影響を与える可能性があります。
  4. 国際展開の成果: Alvotech S.A社との提携が成功すれば、国際市場でのシェア拡大が期待されます。

結論

富士製薬工業株式会社は、2023年度において資産と純資産の増加を達成し、財務基盤が強化されています。今後は、流動負債の管理や研究開発の成果を活かした収益性の向上が重要な課題となります。

資産、負債、純資産の状況

1. 資産の状況

項目 金額(百万円) 前期比
流動資産 39,114 +4,386
固定資産 46,218 +5,407
総資産 85,332  

2. 負債の状況

項目 金額(百万円) 前期比
流動負債 29,771 +5,795
固定負債 14,383 -1,372
総負債 44,154  

3. 純資産の状況

項目 金額(百万円) 前期比
純資産 41,177 +5,371

4. 財務健全性の評価

項目 2023年9月期 2022年9月期 2021年9月期
自己資本比率 48.3% 47.4% 50.9%

5. トレンドの比較

流動資産は前年から増加しており、流動性が改善しています。固定資産も前年から増加しており、長期的な投資が行われていることが示唆されます。流動負債は大幅に増加しており、短期的な負債が増加していることが懸念されます。固定負債は減少しており、長期的な負債の管理が行われていることが示されています。純資産は増加しており、企業の財務基盤が強化されていることがわかります。

結論

富士製薬工業株式会社は、資産の増加と純資産の増加により、全体的には財務健全性が向上していますが、流動負債の増加には注意が必要です。

流動比率自己資本比率の計算

1. 流動比率の計算

流動比率は、流動資産を流動負債で割った比率です。

  • 流動資産: 39,114百万円
  • 流動負債: 29,771百万円

流動比率 = (流動資産 / 流動負債) × 100 = (39,114 / 29,771) × 100 ≈ 131.5%

2. 自己資本比率の計算

自己資本比率は、自己資本を総資本で割った比率です。

自己資本比率 = (自己資本 / 総資本) × 100 = (41,177 / 85,332) × 100 ≈ 48.3%

3. 過去との比較トレンド

年度 流動比率 自己資本比率
2021年度 50.9% 47.4%
2022年度 47.4% 48.3%
2023年度 131.5% 48.3%

4. トレンドの分析

流動比率は、2021年度から2022年度にかけて減少しましたが、2023年度には大幅に増加し、131.5%となりました。自己資本比率は安定しており、企業の資本構成が安定していることを示しています。

結論

富士製薬工業株式会社は、2023年度において流動比率が大幅に改善し、短期的な支払い能力が非常に高いことが確認されました。自己資本比率は安定しており、企業の財務基盤が堅固であることを示しています。

重要な情報の要約

収益認識

製品、商品及び受託品の引き渡し時点において支配が顧客に移転した時点で収益を認識。

退職給付に係る会計処理

退職給付見込額の期間帰属方法は給付算定式基準に基づく。

ヘッジ会計

為替予約を用いたヘッジ手段があり、ヘッジ対象は原材料輸入による外貨建買入債務及び予定取引です。

のれんの償却

償却期間は12年間にわたって均等償却。

連結キャッシュ・フロー計算書

手許現金及び短期投資は手許現金、随時引き出し可能な預金及び取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成。

重要な会計上の見積り

  • デリバティブ債権: 765百万円
  • 販売権: 4,640百万円
  • 長期前渡金: 518百万円

研究開発活動

研究開発費総額は3,184百万円で、連結売上高に占める割合は7.8%。

設備投資

設備投資の総額は3,652百万円。

株式の状況

  • 発行済株式数: 24,753,800株
  • 発行可能株式総数: 56,440,000株

税効果会計

重要な契約

Alvotech S.A社との契約により、複数品目のバイオシミラーの日本における商業化に関する独占的なパートナーシップを結んでいます。

新規に参入した事業セグメント

有価証券報告書には、新規に参入した事業セグメントに関する具体的な記載はありませんが、医薬品事業に注力しており、特に女性医療領域や急性期医療領域においての強化を図っています。

リスク要因の評価

  1. 医薬品関連法規等の規制
  2. 競争状況
  3. 品質管理
  4. 自然災害
  5. 薬価基準の改定
  6. 訴訟リスク
  7. ITセキュリティ
  8. 人財確保
  9. デジタル化の遅れ
  10. 独占販売権の減損リスク
  11. 提携先への投資リスク

業績予測や中期計画

具体的な業績予測や中期計画に関する情報は、提供された有価証券報告書の内容には含まれていませんでした。