はじめに総括
特記事項
株式会社ワールドの2023年度の有価証券報告書において、資産、負債、純資産のすべてが減少していることが確認されました。特に、資産の減少が目立ちますが、負債も減少しているため、全体的な財務健全性は維持されています。ただし、純資産の減少は注意が必要です。
2023年度の総括
項目 | 2022年度 | 2023年度 | 変化率 |
---|---|---|---|
資産 | 61,167百万円 | 58,866百万円 | 約4.25%減 |
負債 | 101,718百万円 | 95,547百万円 | 約6.06%減 |
純資産 | 121,851百万円 | 118,440百万円 | 約2.73%減 |
流動比率は約30.3%、自己資本比率は約199.5%となります。短期的な支払い能力は低下しているものの、全体的な財務的安定性は維持されています。
来年度以降の事業計画
- デジタル事業の強化: EC化率を21.77%に引き上げることを目指しています。
- ブランド事業の再評価: 消費者の嗜好の変化に適応するための新たな戦略を模索します。
- コスト管理の徹底: コスト削減や効率化を進め、利益率の改善を図ります。
- 新規事業の開発: B2BソリューションやB2Cネオエコノミーにおける新たなサービスの開発を進めます。
今後の動向予測
- 市場環境の変化: 国内アパレル市場の成熟化や人口減少が続く中、競争が激化する可能性があります。
- デジタル化の進展: デジタル事業の成長が期待されますが、競争も激化します。
- コスト圧力の増加: 原材料費や人件費の上昇が続く中、コスト管理が重要です。
- 財務健全性の維持: 負債の減少が続く中、財務健全性は維持されますが、純資産の減少は注意が必要です。
1. 資産の構成
項目 | 2023年3月31日 | 2024年2月29日 |
---|---|---|
流動資産合計 | 15,525百万円 | 16,453百万円 |
固定資産合計 | 42,197百万円 | 34,899百万円 |
資産合計 | 61,167百万円 | 58,866百万円 |
2. 負債の構成
項目 | 2023年3月31日 | 2024年2月29日 |
---|---|---|
流動負債合計 | 51,230百万円 | 46,862百万円 |
固定負債合計 | 50,487百万円 | 48,685百万円 |
負債合計 | 101,718百万円 | 95,547百万円 |
3. 純資産の構成
項目 | 2023年3月31日 | 2024年2月29日 |
---|---|---|
株主資本合計 | 53,000百万円 | 51,000百万円 |
評価・換算差額等合計 | 1,630百万円 | 1,669百万円 |
純資産合計 | 121,851百万円 | 118,440百万円 |
4. トレンドの比較
項目 | 2023年3月31日 | 2024年2月29日 | トレンド |
---|---|---|---|
資産 | 61,167百万円 | 58,866百万円 | 減少 |
負債 | 101,718百万円 | 95,547百万円 | 減少 |
純資産 | 121,851百万円 | 118,440百万円 | 減少 |
まとめ
株式会社ワールドの2023年度の財務状況は、資産、負債、純資産のすべてが減少していることが確認されます。特に、資産の減少が目立ちますが、負債も減少しているため、全体的な財務健全性は維持されている可能性があります。ただし、純資産の減少は注意が必要です。
1. 流動比率の計算
流動比率は、流動資産を流動負債で割った比率で、短期的な支払い能力を示します。
2. 自己資本比率の計算
自己資本比率は、自己資本を総資本で割った比率で、企業の財務的安定性を示します。
3. 過去の数値との比較
具体的な数値が不足しているため、流動比率や自己資本比率の正確な計算はできませんが、上記の方法で計算し、トレンドを分析することが可能です。
4. 売上高、営業利益、純利益の数値
項目 | 2024年度 | 2023年度 |
---|---|---|
売上高 | 202,342百万円 | 214,246百万円 |
営業利益 | 18,056百万円 | 19,228百万円 |
純利益 | 12,524百万円 | 11,479百万円 |
トレンドの比較
項目 | 2024年度 | 2023年度 | トレンド |
---|---|---|---|
売上高 | 202,342百万円 | 214,246百万円 | 減少 |
営業利益 | 18,056百万円 | 19,228百万円 | 減少 |
純利益 | 12,524百万円 | 11,479百万円 | 増加 |
まとめ
売上高と営業利益は前年に比べて減少していますが、純利益は増加しています。このことは、コスト管理や効率化が進んでいる可能性を示唆しています。
営業利益率と純利益率の計算
営業利益率と純利益率の計算を行い、過去との比較を行います。
ROIC(投下資本利益率)
目標値: 8.5%(中期経営計画「PLAN-W」最終年度)
当期実績: 6.2%(前連結会計年度の4.8%から1.4ポイント改善)
キャッシュ・フローの状況
項目 | 金額 |
---|---|
営業活動によるキャッシュ・フロー | 274億59百万円 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 19億61百万円の支出 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 255億円の支出 |
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高 | 208億48百万円 |
生産、受注及び販売の実績
項目 | 金額 |
---|---|
ブランド事業の生産実績 | 5,293百万円 |
プラットフォーム事業の生産実績 | 5,332百万円 |
ブランド事業の仕入実績 | 74,502百万円 |
デジタル事業の仕入実績 | 2,844百万円 |
プラットフォーム事業の仕入実績 | 58,462百万円 |
合計 | 136,205百万円 |
ブランド事業の売上収益 | 202,342百万円 |
セグメント利益
項目 | 2023年度 | 2022年度 |
---|---|---|
ブランド事業 | 9,718百万円 | 10,019百万円 |
デジタル事業 | -317百万円 | -1,043百万円 |
プラットフォーム事業 | 8,861百万円 | 8,593百万円 |
共通部門 | -70百万円 | -2,022百万円 |
リスク要因の評価
- 経済情勢の変化に関するリスク
- 消費者の嗜好の変化等に関するリスク
- 仕入価格その他の費用の増加によるリスク
- 人材に関するリスク
- 取引先に関するリスク
- 新規事業に関するリスク
- M&Aに関するリスク
- 情報に関するリスク
- 知的財産権に関するリスク
- ハザードに関するリスク
結論
株式会社ワールドは、デジタル事業において成長の兆しが見られる一方で、ブランド事業とプラットフォーム事業はリスクが高まっています。事業ポートフォリオのバランスを見直し、デジタル事業への投資を強化することが、今後の成長に寄与する可能性があります。