はじめに総括
特記事項
トーセイ株式会社は2023年度において、資産と負債が共に増加し、純資産が負債超過の状態が拡大しました。特に、負債の増加が資産の増加を上回っており、財務健全性に懸念が残ります。
2023年度の総括
トーセイ株式会社は2023年度において、以下のような財務状況を示しました。
- 資産: 合計資産は89,739,518千円で、前年から約10,967,773千円の増加。
- 負債: 合計負債は132,054,192千円で、前年から約31,347,925千円の増加。
- 純資産: 負債超過が拡大し、純資産は-42,314,674千円。
流動比率は427.5%と前年の308.5%から改善し、自己資本比率も54.5%に上昇しました。これにより、短期的および長期的な支払い能力が向上していることが示されています。
来年度以降の事業計画
トーセイ株式会社は2024年度から新中期経営計画『Further Evolution 2026』を開始します。この計画では、以下の施策が重点的に推進される見込みです。
- M&Aの推進: 不動産取得を強化し、競争力を高める。
- DX推進: 不動産とデジタルトランスフォーメーションの融合による新たな収益モデルの創出。
- 安定事業の拡大: ホテル事業や不動産管理事業のサービス品質向上。
今後の動向予測
- 成長の見込み: ホテル事業の回復や不動産ファンド・コンサルティング事業の拡大が期待され、持続的な成長が見込まれます。
- リスク管理: 市場環境の変化や資金調達リスクに対する管理体制が整備されているため、安定した運営が期待されます。
- 財務健全性の改善: 流動比率や自己資本比率の改善が続くことで、財務健全性が向上し、投資家からの信頼を得る可能性があります。
結論
トーセイ株式会社は2023年度において、資産と負債の増加が見られたものの、流動比率や自己資本比率の改善により、短期的および長期的な支払い能力が向上しています。新中期経営計画『Further Evolution 2026』に基づく施策により、持続的な成長が期待され、今後の業績向上が見込まれます。
資産、負債、純資産の構成とトレンド
資産
項目 | 金額 (千円) |
---|---|
販売用不動産 | 72,375,817 |
仕掛販売用不動産 | 17,363,701 |
その他の資産 | 不明 |
合計資産
年度 | 合計資産 (千円) |
---|---|
前事業年度 (2022年11月30日) | 78,771,745 |
当事業年度 (2023年11月30日) | 89,739,518 |
負債
項目 | 金額 (千円) |
---|---|
流動負債 | 不明 |
固定負債 | 274,060 |
合計負債
年度 | 合計負債 (千円) |
---|---|
前事業年度 (2022年11月30日) | 100,706,267 |
当事業年度 (2023年11月30日) | 132,054,192 |
純資産
年度 | 純資産 (千円) |
---|---|
前事業年度 (2022年11月30日) | -21,934,522 |
当事業年度 (2023年11月30日) | -42,314,674 |
トレンド
- 資産: 増加(前年度から約10,967,773千円の増加)。
- 負債: 増加(前年度から約31,347,925千円の増加)。
- 純資産: 負債超過の状態が続いており、前年よりも負債超過が拡大。
流動比率と自己資本比率の計算
1. 流動比率の計算
流動比率は以下の式で計算されます。
流動比率 = (流動資産 / 流動負債) × 100
当事業年度(2023年11月30日)
- 流動資産: 70,681,866千円
- 流動負債: 16,533,897千円
流動比率 = (70,681,866 / 16,533,897) × 100 ≈ 427.5%
前事業年度(2022年11月30日)
- 流動資産: 56,971,457千円
- 流動負債: 18,483,685千円
流動比率 = (56,971,457 / 18,483,685) × 100 ≈ 308.5%
2. 自己資本比率の計算
自己資本比率は以下の式で計算されます。
自己資本比率 = (自己資本 / 総資本) × 100
当事業年度(2023年11月30日)
自己資本比率 = (147,128,214 / 269,755,413) × 100 ≈ 54.5%
前事業年度(2022年11月30日)
自己資本比率 = (100,007,267 / 207,596,486) × 100 ≈ 48.2%
3. トレンドの比較
- 流動比率: 2023年度: 約427.5%, 2022年度: 約308.5% - 流動比率が大幅に改善。
- 自己資本比率: 2023年度: 約54.5%, 2022年度: 約48.2% - 自己資本比率も改善。
結論
トーセイ株式会社は、流動比率と自己資本比率の両方が改善しており、短期的および長期的な支払い能力が向上していることが示されています。これは、企業の財務健全性が向上していることを示唆しています。
売上高、営業利益、純利益のトレンド
売上高
年度 | 売上高 (千円) |
---|---|
前連結会計年度 (2022年11月30日まで) | 8,607,088 |
当連結会計年度 (2023年11月30日まで) | 10,507,095 |
営業利益
営業利益の計算に必要な数値を以下に示します。
- 売上高: 前連結会計年度: 8,607,088千円, 当連結会計年度: 10,507,095千円
- 売上原価: 前連結会計年度: 6,914,887千円, 当連結会計年度: 1,059,869千円
- 販売費及び一般管理費: 不明
営業利益は、売上高から売上原価と販売費及び一般管理費を引いた値ですが、販売費及び一般管理費の具体的な数値が記載されていないため、正確な営業利益を算出することができません。
純利益
純利益の計算に必要な数値を以下に示します。
純利益の詳細な数値を算出するためには、税金の具体的な数値が必要です。
トレンドの分析
- 売上高: 増加(前年から増加)。
- 営業利益: 不明。
- 純利益: 不明。
結論
売上高は前年に比べて増加しており、企業の成長を示していますが、営業利益と純利益の詳細な数値を算出するためには、販売費及び一般管理費、税金の具体的な数値が必要です。
営業利益率と純利益率の計算
1. 営業利益率の計算
営業利益率は、営業利益を売上高で割った値です。具体的な売上高や営業利益の数値が文書に記載されていないため、正確な営業利益率を計算することはできません。
2. 純利益率の計算
純利益率は、当期純利益を売上高で割った値です。こちらも具体的な売上高や当期純利益の数値が文書に記載されていないため、正確な純利益率を計算することはできません。
3. 過去との比較トレンド
過去の数値を比較するためには、以下の情報が必要です:
- 前年度の売上高
- 前年度の営業利益
- 前年度の当期純利益
文書には、2022年度の財務データが記載されていますが、具体的な売上高や営業利益、当期純利益の数値は示されていません。
4. 結論
具体的な数値が不足しているため、営業利益率や純利益率の計算および過去との比較トレンドを示すことはできません。必要な数値が文書に記載されている場合は、それを基に計算を行うことが可能です。
営業活動によるキャッシュフロー
トーセイ株式会社の2023年度の有価証券報告書に基づいて、営業活動によるキャッシュフローを確認し、事業活動が現金を生成しているかを評価します。
営業活動によるキャッシュフロー
- 営業活動によるキャッシュフロー: 695億円
評価
695億円の営業活動によるキャッシュフローは、企業がその事業活動を通じて現金を生成していることを示しています。この金額は、企業の収益性や効率性を反映しており、事業が健全に運営されていることを示唆しています。
事業セグメントの収益状況とトレンド
1. 事業セグメントの収益状況
不動産再生事業
- 売上高: 具体的な売上高は記載されていませんが、全体の業績に寄与していることが示唆されています。
- 利益率: 不動産再生事業の利益率は計画を上回ったとされています。
不動産開発事業
- 売上高: 具体的な数値は記載されていませんが、販売予定物件の販売時期を翌期以降に変更したことが影響し、売上高が減少したとされています。
- 利益率: 利益率は計画を上回ったとされています。
不動産賃貸事業
- 売上高: 具体的な数値は記載されていませんが、ホテル事業の大幅回復が寄与しているとされています。
- 利益率: 不動産賃貸事業の利益率は安定していると考えられます。
ホテル事業
- 売上高: ホテル事業は大幅に回復したとされていますが、具体的な売上高は記載されていません。
- 利益率: ホテル事業の利益率は高いと推測されます。
不動産ファンド・コンサルティング事業
- 売上高: 収益が拡大したとされていますが、具体的な数値は記載されていません。
- 利益率: 収益拡大に伴い、利益率も改善していると考えられます。
2. 各セグメントのトレンド
- 全体の業績: 2023年度の売上高は794億円(期初計画比6.5%減)、営業利益は162億円(同9.6%増)、税引前利益は153億円(同9.3%増)となりました。
- 過去との比較: 2022年度は過去最高益を達成しており、2023年度も再度最高益を更新したとされています。
3. 事業ポートフォリオのバランス評価
- 成長セグメント: ホテル事業や不動産ファンド・コンサルティング事業は成長が見込まれ、特にホテル事業は人流回復に伴い大幅に回復しています。
- リスクの高いセグメント: 不動産開発事業は販売時期の変更が影響し、リスクが高いと考えられます。
- バランス: 不動産賃貸事業は安定した収益源として機能しており、全体のポートフォリオにおいてバランスを保っていると評価できます。
結論
トーセイ株式会社は、全体としては減収ながらも、営業利益と税引前利益は増加しており、特にホテル事業や不動産ファンド・コンサルティング事業が成長を見せています。事業ポートフォリオは安定性と成長性を兼ね備えており、今後の展開に期待が持てる状況です。
新規に参入した事業セグメント
有価証券報告書には、新規に参入した事業セグメントに関する具体的な記載はありません。したがって、現在のところ新規事業セグメントの参入は確認できません。
リスク要因の評価
有価証券報告書には、企業が直面する潜在的なリスク要因に関する具体的な記載が含まれていないため、詳細なリスク評価は行えません。ただし、一般的に企業が直面するリスク要因には以下のようなものが考えられます:
- 市場リスク: 経済環境の変化や市場競争の激化により、売上や利益が影響を受ける可能性があります。
- 資金調達リスク: 銀行借入に依存しているため、金利の上昇や資金調達の難易度が影響を及ぼす可能性があります。
- 法規制リスク: 不動産業界は法規制が厳しいため、規制の変更が事業運営に影響を与える可能性があります。
- 運営リスク: 事業用建物や土地の仕入れに関する運営上の問題が発生する可能性があります。
これらのリスク要因は、企業の経営成績や財務状況に影響を与える可能性があるため、注意深く監視する必要があります。
新中期経営計画『Further Evolution 2026』の内容
トーセイ株式会社の2023年度の有価証券報告書に基づいて、2024年11月期を初年度とする新中期経営計画『Further Evolution 2026』の内容と、過去の中期経営計画「Infinite Potential 2023」の実績を踏まえた将来の業績予測や目標達成の可能性について説明します。
1. 過去の中期経営計画「Infinite Potential 2023」の実績
- 税引前利益: 153億円
- ROE: 13.6%(目標は12%)
- 安定事業比率(営業利益ベース): 49.2%(目標は42%以上)
- 自己資本比率: 33.4%(目標は35%程度)
- ネットD/Eレシオ: 1.31倍(目標は1.3倍程度)
これらの実績は、企業の安定性と財務健全性を示しており、目標を概ね達成しています。
2. 新中期経営計画『Further Evolution 2026』の概要
- 期間: 2023年12月〜2026年11月
- 目標: 企業集団としての価値向上を図り、株主共同の利益の確保・向上を目指す。
3. 将来の業績予測
新中期経営計画においては、以下の要素が業績に影響を与えると考えられます。
- M&Aの推進: 不動産取得を強化し、競争力を高める。
- DX推進: 不動産とDXの融合による新たな収益モデルの創出。
- 安定事業の拡大: ホテル事業の拡大や不動産管理事業のサービス品質向上。
これらの施策により、持続的な成長が期待されます。
4. 目標達成の可能性
- 過去の実績: 過去の中期経営計画での目標達成率が高いため、新中期経営計画においても同様の成果が期待されます。
- 市場環境: 不動産市場の回復やDXの進展が追い風となる可能性があります。
- リスク管理: 気候変動リスクや市場変動に対するリスク管理体制が整備されているため、安定した運営が見込まれます。
結論
トーセイ株式会社は、過去の実績を踏まえた上で、新中期経営計画『Further Evolution 2026』を策定し、持続的な成長を目指しています。M&AやDX推進などの施策により、目標達成の可能性は高いと考えられます。