【ファンダメンタル分析】ブイキューブ【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

2023年度の株式会社ブイキューブは、売上高が前年から減少し、営業利益と純利益がともに赤字に転落したことが大きなトレンドとして挙げられます。特に、イベントDX事業の売上高が前年同期比で17.8%減少し、利益も赤字に転落したことが影響しています。

2023年度の総括

2023年度の株式会社ブイキューブは、売上高が10,677,744千円と前年の11,897,151千円から減少しました。営業利益は明示されていないものの、純利益は△5,623,183千円の損失を計上しました。流動資産は増加したものの、流動負債も増加し、流動比率は約82.7%と短期的な支払い能力に懸念が残ります。特に、財務制限条項に抵触するリスクがあり、純資産の維持が重要な課題となっています。

来年度以降の事業計画

  1. 売上高の回復: 2024年12月期には売上高を14,520百万円に引き上げる目標を設定しています。これは、テレワークの定着やWeb会議の需要増加を背景にした成長戦略です。
  2. コストコトロール: 営業利益を700百万円にするため、コスト管理を徹底し、収益性の改善を図ります。
  3. 新規顧客の獲得: 特に北米地域での新規顧客案件の獲得を目指し、イベントDX事業の回復を図ります。
  4. 株主還元の強化: 将来的には配当性向を20%から30%に引き上げる方針を持ち、株主還元を重視する姿勢を示しています。

今後の動向予測

  • 市場環境の変化: テレワークの定着により、Web会議や関連サービスの需要が高まることが期待されます。これにより、サードプレイスDX事業の成長が見込まれます。
  • 競争の激化: 競争が激しい市場環境において、特にイベントDX事業は厳しい状況が続く可能性があります。新規顧客の獲得やサービスの差別化が求められます。
  • 財務健全性の維持: 財務制限条項に抵触するリスクがあるため、資金繰りや事業計画の見直しが必要です。流動比率の改善や自己資本比率の向上が求められます。

結論

株式会社ブイキューブは、2023年度に厳しい業績を経験しましたが、2024年度に向けて売上高の回復やコストコトロールを目指す計画を立てています。市場環境の変化や競争の激化に対する対応が今後の成長に影響を与えるため、慎重な戦略が求められます。

資産、負債、純資産の構成

1. 資産

項目 2022年12月31日 2023年12月31日
流動資産 1,711,753千円 1,779,983千円
固定資産 不明 531,425千円

2. 負債

項目 2023年12月31日
流動負債 3,881,217千円
固定負債 754,500千円
合計負債 4,635,717千円

3. 純資産

純資産の具体的な数値は記載されていませんが、連結貸借対照表の純資産の部の金額は、2022年12月31日と2023年12月31日のいずれか大きい方の75%以上に維持することが求められています。

トレンド分析

  • 流動資産: 1,711,753千円から1,779,983千円に増加。
  • 負債: 合計負債は4,635,717千円で、流動負債の増加が見込まれる。
  • 純資産: 財務制限条項に抵触する見込みがあるため、維持が重要な課題。

流動比率自己資本比率の計算

1. 流動比率の計算

流動比率は、流動資産を流動負債で割った比率です。

項目 金額
流動資産合計 3,838,344千円
流動負債合計 4,635,717千円

流動比率: 約82.7%

2. 自己資本比率の計算

自己資本比率は、自己資本を総資本で割った比率です。具体的な数値は不明ですが、自己資本の増減により影響を受けることが考えられます。

3. 過去との比較トレンド

売上高、営業利益、純利益の推移

年度 売上高
2022年度 11,897,151千円
2023年度 10,677,744千円

営業利益と純利益の計算

営業利益と純利益の詳細な数値は記載されていないため、トレンドの評価は難しいが、売上高の減少は利益にも影響を与える可能性がある。

営業活動によるキャッシュフローの状況

項目 金額
営業活動によるキャッシュ・フロー 990,958千円
連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フロー 1,833,235千円
営業活動によるキャッシュ・フローの減少額 △842,277千円

事業セグメントの収益状況

イベントDX事業

項目 金額
売上高 4,115,984千円(前年同期比17.8%減)
セグメント利益 △734,127千円

サードプレイスDX事業

項目 金額
売上高 2,550,184千円(前年同期比11.8%減)
セグメント利益 737,869千円(前年同期比14.1%増)

リスク要因

  • 財務制限条項の抵触
  • 事業計画の不確実性
  • 資金調達施策の実行可能性
  • 市場環境の変化
  • 収益性の低下

将来の業績予測

年度 売上高 営業利益 当期純利益
2024年12月期 14,520百万円 700百万円 1,200百万円
2025年12月期 16,260百万円 1,050百万円 1,800百万円

配当政策

基本方針としてNOPLATに対して20%の配当性向を目指し、将来的には30%を目標としています。2023年度は当期純損失を計上したため、配当を実施しないことが決定されました。