【ファンダメンタル分析】イリソ電子工業【有価証券報告書】
はじめに総括
特記事項
イリソ電子工業株式会社は、資産と負債の両方が減少しているものの、特に自己資本比率が前年の63.6%から36.9%に大幅に減少しており、財務健全性に懸念が残る状況です。
当期の総括
2024年3月期において、イリソ電子工業株式会社は以下のような財務状況を示しています。
| 項目 | 金額(百万円) | 前年度比 |
|---|---|---|
| 資産合計 | 47,325 | -745 |
| 負債合計 | 46,079 | -3,514 |
| 純資産合計 | 1,444 | -205 |
流動資産は変わらず、固定資産が減少している一方で、負債は流動負債が増加したものの、固定負債が大きく減少しました。これにより、負債合計は減少していますが、依然として資産に対する負債の比率が高く、財務的な健全性には注意が必要です。
流動比率は129.4%で短期的な支払い能力は良好ですが、前年の157.4%から減少しています。自己資本比率は36.9%と低下しており、長期的な支払い能力に懸念があります。
来年度以降の事業計画
イリソ電子工業株式会社は、2030年までに売上高1,200億円を目指す計画を立てています。特に、xEV市場の成長を見込んでおり、これに関連する製品やサービスの拡充が期待されます。また、環境目標として、2025年に電力由来のCO2排出量を実質ゼロ化し、2050年にはカーボンニュートラルを達成することを掲げています。
今後の動向予測
- 市場環境の変化: 自動車関連市場の需要動向や為替変動が業績に影響を与える可能性が高いです。
- 原材料コストの影響: 原材料価格の高騰が業績に影響を与える可能性があります。
- リスク管理の強化: リスク管理体制の強化が求められます。
- 持続可能な成長: 環境目標の達成に向けた取り組みが企業のブランド価値を高める可能性があります。
結論
イリソ電子工業株式会社は、財務健全性に懸念が残るものの、2030年に向けた成長戦略や環境目標の設定により、持続可能な成長を目指しています。
1. 資産の構成
| 項目 | 金額(百万円) | 前事業年度 |
|---|---|---|
| 流動資産合計 | 19,930 | 19,930 |
| 固定資産合計 | 27,394 | 28,140 |
| 資産合計 | 47,325 | 48,070 |
2. 負債の構成
| 項目 | 金額(百万円) | 前事業年度 |
|---|---|---|
| 流動負債合計 | 15,337 | 15,101 |
| 固定負債合計 | 30,742 | 34,492 |
| 負債合計 | 46,079 | 49,593 |
3. 純資産の構成
| 項目 | 金額(百万円) | 前事業年度 |
|---|---|---|
| 株主資本合計 | 1,246 | 1,476 |
| 評価・換算差額等合計 | 198 | 173 |
| 純資産合計 | 1,444 | 1,649 |
4. トレンド分析
- 資産: 資産合計は前年度から減少しており、流動資産は変わらず、固定資産が減少しています。
- 負債: 負債合計も減少しており、流動負債は増加していますが、固定負債が大きく減少しています。
- 純資産: 純資産も減少しており、株主資本が減少していますが、評価・換算差額等は増加しています。
5. 財務健全性の評価
- 資産対負債比率: 約97.4%(46,079百万円 / 47,325百万円)であり、負債が資産を上回っているため、財務的な健全性には注意が必要です。
- 純資産比率: 約3.1%(1,444百万円 / 47,325百万円)で、非常に低い水準です。
結論
イリソ電子工業株式会社は、資産と負債の両方が減少しているものの、負債が依然として資産に対して高い比率を占めており、財務健全性に懸念が残ります。
流動比率の計算
- 流動資産合計: 19,930百万円
- 流動負債合計: 15,337百万円
流動比率 = (流動資産合計 / 流動負債合計) × 100 = (19,930 / 15,337) × 100 ≈ 129.4%
自己資本比率の計算
- 自己資本合計: 30,742百万円
- 負債合計: 52,360百万円
総資本 = 自己資本 + 負債 = 30,742 + 52,360 = 83,102百万円
自己資本比率 = (自己資本合計 / 総資本) × 100 = (30,742 / 83,102) × 100 ≈ 36.9%
過去との比較トレンド
過去の数値を比較するために、2023年3月31日の数値を参照します。
- 流動資産合計(2023年3月31日): 19,930百万円
- 流動負債合計(2023年3月31日): 12,685百万円
- 自己資本合計(2023年3月31日): 30,101百万円
- 負債合計(2023年3月31日): 47,325百万円
流動比率の過去比較
2023年流動比率 = (19,930 / 12,685) × 100 ≈ 157.4%
2024年流動比率 = 129.4%
自己資本比率の過去比較
2023年自己資本比率 = (30,101 / 47,325) × 100 ≈ 63.6%
2024年自己資本比率 = 36.9%
結論
- 流動比率: 129.4%で、短期的な支払い能力は依然として良好ですが、前年より減少しています。
- 自己資本比率: 36.9%で、長期的な支払い能力は低下しており、前年の63.6%から大きく減少しています。
サステナビリティに関する考え方及び取組
- 経営理念: 「人の心を尊重し、豊かな価値を創り、社会貢献に努める」
- 2035年のありたい姿:
- 「社会やお客様の期待を超える“つなげる”で、成長を続ける企業」
- 「社会、環境、品質を重視し、社員とステークホルダーが“わくわく”する企業」
2024年3月期の主な実績
- 金使用量の削減: コネクタのピンのめっきに使用される金の必要量を見直し、環境負荷を軽減。
- 再生材料活用拡大: 再生化率100%の再生材LCPを活用し、廃棄量を削減。
- 電気使用量削減: 本社の年間電気使用量135MWhの削減を見込む。
- 健康経営への取組強化: 「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」への認定。
中期経営計画での推進事項
- 再生可能エネルギーの積極利用
- 多様な人財作り
- 経営基盤の強化
気候変動への対応
- 目標:
- 2025年に電力由来のCO2排出量を実質ゼロ化。
- 2050年にはカーボンニュートラルを達成。
- シナリオ分析:
- 4℃シナリオ: 2030年の利益影響額は約6.9億円の減少。
- 1.5℃シナリオ: 2030年の利益影響額は約9.5億円の減少。
人的資本経営に関する取組
- 社員数: 2024年3月末現在、3,037名(国内589名、海外2,287名)。
- 男女間賃金格差: 女性社員の年収は男性社員の約70%。
- 管理職に占める女性の割合: 当社単体では2.6%。
リスク管理
- 人的資本リスク: 経営戦略会議で識別・評価・管理。
- 労働災害度数率: 0.88(目標は0)。
目標達成の可能性
- 新卒採用に占める女性比率: 2025年30%を目指す。
- 在宅勤務率: 2025年30%を目指す(2024年3月期実績18.9%)。