【ファンダメンタル分析】東芝テック【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

2023年度の東芝テック株式会社は、売上高が前年から増加し、特にワークプレイスソリューション事業が11.0%の成長を示しました。一方で、純利益は67億7百万円の損失を計上し、前年から悪化しています。このようなトレンドは、企業の成長とリスクの両面を示しています。

2023年度の総括

2023年度の東芝テック株式会社は、総資産が548,135百万円、総負債が56,500百万円、純資産が491,635百万円と、全体的に財務健全性が良好であることが示されています。自己資本比率は約89.7%と高く、企業の財務的安定性を示していますが、負債比率も10.3%と低く、資金繰りには注意が必要です。

項目 2023年度 2022年度
売上高 548,135百万円 510,767百万円
営業利益 158億54百万円 不明
純利益 -67億7百万円 不明

来年度以降の事業計画

東芝テックは、2024年度から2026年度にかけての中期経営計画を策定しており、以下の目標を掲げています:

  • 売上高: 5,500億円
  • 営業利益: 330億円
  • 営業利益率(ROS): 6.0%
  • 親会社株主に帰属する当期純利益: 170億円
  • 営業活動によるキャッシュ・フロー: プラス350億円
  • 投下資本利益率(ROIC): 15%

特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)や省人化ニーズに応じたソリューションの提供を強化することで、収益性の向上を図る方針です。また、AI/生成AI活用に関する新会社を設立予定であり、これが新たな成長の原動力となることが期待されています。

今後の動向予測

  1. 成長の持続性: ワークプレイスソリューション事業の成長が続くと予測されますが、リテールソリューション事業の競争激化が影響を与える可能性があります。
  2. 財務健全性の維持: 高い自己資本比率を維持しつつ、負債管理に注意を払い、資金繰りを適切に行うことが求められます。
  3. リスク管理: 経営環境の変化や競争の激化に対するリスク管理が重要です。
  4. 新規事業の展開: AIやデジタル技術を活用した新規事業の展開が、企業の成長を加速させる要因となるでしょう。

結論

東芝テック株式会社は、2023年度においても高い財務健全性を維持しつつ、成長を続けていますが、純利益の悪化が懸念されます。来年度以降は、デジタル化や新規事業の展開を通じて成長を図りつつ、リスク管理を徹底することが求められます。

1. 財務健全性の評価

資産

項目 金額(百万円)
総資産 548,135
流動資産 310,865
固定資産 237,269

負債

項目 金額(百万円)
総負債 56,500
流動負債 25,721
固定負債 30,779

純資産

項目 金額(百万円)
純資産 491,635

2. トレンド分析

過去の数値との比較

年度 総資産(百万円) 総負債(百万円) 純資産(百万円)
2023年度 548,135 56,500 491,635
2022年度 510,767 54,242 456,525

トレンド

総資産は、2022年度から2023年度にかけて増加しています。総負債も増加していますが、純資産は増加しています。

3. 財務健全性の評価

自己資本比率は約89.7%であり、高い自己資本比率は企業の財務健全性を示しています。負債比率は約10.3%であり、低い負債比率は企業が健全な財務構造を持っていることを示しています。

結論

東芝テック株式会社は、2023年度においても高い自己資本比率を維持しており、財務健全性は良好です。総資産と純資産が増加していることから、企業の成長が見られますが、負債も若干増加しているため、今後の資金繰りや負債管理には注意が必要です。