【ファンダメンタル分析】ジャノメ【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

2023年度の株式会社ジャノメは、売上高、営業利益、純利益のいずれも前年から減少しており、特に営業利益は48.6%の大幅な減少を記録しました。これにより、企業の収益力が厳しい状況にあることが明らかになりました。

2023年度の総括

項目 金額(百万円) 前年度比
売上高 36,476 -4.9%
営業利益 1,181 -48.6%
純利益 1,131 -37.7%

家庭用機器事業は、販売体制の再編や地政学的リスク、物価高の影響を受け、売上高が減少しました。特に、営業利益率は家庭用機器事業で6.37%から4.95%に減少し、産業機器事業では営業損失が269百万円に達しました。

来年度以降の事業計画

株式会社ジャノメは、中期経営計画「Reborn 2024」を策定し、以下の目標を掲げています。

  1. 売上高目標: 40,000百万円
  2. 営業利益目標: 2,500百万円
  3. 営業利益率目標: 6.3%

これを達成するために、以下の施策を実施する予定です。

  • 新製品の投入: 特に家庭用機器事業において、消費者のニーズに応える新製品を開発し、販売促進を図る。
  • 販売体制の強化: 国内外での販売チャネルの拡大を目指し、代理店との連携を強化する。
  • コスト管理の徹底: 販売費及び一般管理費の見直しを行い、利益率の改善を図る。

今後の動向予測

  1. 市場環境の影響: 地政学的リスクや物価高が続く中で、消費者の購買意欲が回復するかどうかが重要なポイントです。
  2. 収益性の改善: 営業利益率の改善が求められます。
  3. 研究開発の強化: 研究開発費が1,504百万円に達しており、今後の製品開発において重要な役割を果たすでしょう。
  4. 株主還元の方針: 総還元性向目安が30%であるため、安定した配当を維持しつつ、成長投資を行うバランスが求められます。

結論

株式会社ジャノメは、2023年度に厳しい業績を経験しましたが、中期経営計画に基づく施策を通じて、収益性の改善と成長を目指しています。

1. 資産

項目 2024年3月31日(百万円) 2023年3月31日(百万円)
有形固定資産 24,168 23,474
無形固定資産 93 31
投資有価証券(株式) 571 239

2. 負債

項目 2024年3月31日(百万円) 2023年3月31日(百万円)
流動負債 14,772 21,024
固定負債 10,918 3,995
合計負債 25,690 25,019

3. 純資産

項目 2024年3月31日(百万円) 2023年3月31日(百万円)
純資産 不明 不明

トレンド分析

資産のトレンド

  • 有形固定資産は増加(23,474百万円 → 24,168百万円)
  • 無形固定資産も増加(31百万円 → 93百万円)
  • 投資有価証券も増加(239百万円 → 571百万円)

負債のトレンド

  • 流動負債は減少(21,024百万円 → 14,772百万円)
  • 固定負債は増加(3,995百万円 → 10,918百万円)

純資産のトレンド

純資産の具体的な数値は不明ですが、負債の減少と資産の増加により、純資産は増加している可能性があります。

結論

株式会社ジャノメは、資産が増加している一方で、流動負債は減少し、固定負債は増加しています。これにより、全体的な財務健全性は改善している可能性がありますが、具体的な純資産の数値が不明なため、詳細な評価は難しいです。

流動比率自己資本比率

1. 流動比率の計算

流動比率は、流動資産を流動負債で割った比率です。

項目 金額(百万円)
流動資産 14,766
流動負債 3,149

流動比率 = 流動資産 / 流動負債 = 14,766 / 3,149 ≈ 4.69(469%)

2. 自己資本比率の計算

自己資本比率は、自己資本を総資本で割った比率です。

自己資本の具体的な数値は不明ですが、流動負債と固定負債の合計から計算することができます。

3. 過去との比較トレンド

流動比率自己資本比率の過去の数値は不明ですが、流動比率が469%であることから、短期的な支払い能力は非常に高いと評価できます。

まとめ

売上高、営業利益、純利益の推移

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 純利益(百万円)
2023年度 36,476 1,181 1,131
2022年度 38,363 2,296 1,816

トレンド評価

  1. 売上高: 減少
  2. 営業利益: 大幅に減少
  3. 純利益: 減少

営業利益率と純利益率の計算

1. 営業利益率の計算

営業利益率は、営業利益を売上高で割ったものです。

事業 2023年度営業利益率 2022年度営業利益率
家庭用機器事業 4.95% 6.37%
産業機器事業 -4.65% -1.63%
IT関連事業 17.52% 14.59%

2. 純利益率の計算

純利益率は、当期純利益を売上高で割ったものです。

2023年度の純利益率: 4.56%

2022年度の純利益率: 5.79%

3. トレンドの評価

  • 営業利益率は家庭用機器事業で減少、産業機器事業で悪化、IT関連事業で増加。
  • 純利益率は全体で減少。

研究開発費と設備投資

項目 金額(百万円)
家庭用機器事業 研究開発費 1,057
産業機器事業 研究開発費 445
総設備投資 423

結論

株式会社ジャノメは、2023年度に厳しい業績を経験しましたが、中期経営計画に基づく施策を通じて、収益性の改善と成長を目指しています。市場環境の変化に柔軟に対応し、競争力を高めることが今後の成功の鍵となるでしょう。