【ファンダメンタル分析】日本トリム【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

2023年度の株式会社日本トリムは、全体的に売上高、営業利益、純利益が前年から大幅に増加し、特に営業利益が29.5%、純利益が30.6%の成長を見せたことが大きなトレンドとして挙げられます。また、流動資産の増加が顕著であり、流動比率が改善していることも注目されます。

2023年度の総括

株式会社日本トリムは、2023年度において以下のような業績を達成しました。

項目 数値 前期比
売上高 20,414百万円 13.7%増
営業利益 3,080百万円 29.5%増
純利益 2,150百万円 30.6%増

これらの成長は、特に海外ボトルドウォーター事業や医療関連事業の拡大によるものであり、販売プロセスの効率化や新規事業の展開が功を奏しています。流動資産が増加したことにより、流動比率は改善し、短期的な支払い能力が向上しています。

来年度以降の事業計画

株式会社日本トリムは、以下のような事業計画を策定しています。

  1. 新規事業の展開: 医療関連事業や再生医療関連事業に注力し、特に電解水透析事業の再構築を目指します。また、農業分野や工業分野への進出も視野に入れています。
  2. 外市場の拡大: 海外ボトルドウォーター事業の成長をさらに加速させるため、プロモーション活動を強化し、新規市場への進出を計画しています。
  3. コスト管理の強化: 売上原価や販売費及び一般管理費の管理を徹底し、利益率の改善を図ります。
  4. 研究開発の推進: 共同研究機関との連携を強化し、新技術の開発や製品の革新を目指します。

今後の動向予測

今後の動向については、以下のように予測されます。

  • 売上高の成長: 海外市場の拡大や新規事業の展開により、売上高は引き続き成長すると予測されます。特に、海外ボトルドウォーター事業は高い成長率を維持する可能性があります。
  • 利益率の改善: コスト管理の強化により、営業利益率や純利益率の改善が期待されます。特に、売上原価率の低下が利益率の向上に寄与するでしょう。
  • リスク管理の強化: 市場競争や規制の変化に対するリスク管理を強化し、持続的な成長を目指す姿勢が求められます。
  • ROEの向上: 自己資本利益率ROE)が次期計画で10.6%に向上することが期待されており、株主還元の観点からも注目されます。

結論

株式会社日本トリムは、2023年度において顕著な成長を遂げ、来年度以降も新規事業の展開や海外市場の拡大を通じてさらなる成長が期待されます。リスク管理を強化しつつ、持続的な成長を目指す姿勢が今後の成功に繋がるでしょう。

資産、負債、純資産の構成とトレンド

1. 資産

項目 数値 前年度比
資産合計 31,544百万円 2,497百万円増加(8.6%増)
流動資産 22,919百万円 3,025百万円増加(15.2%増)
固定資産 8,624百万円 527百万円減少(5.8%減)

2. 負債

項目 数値 前年度比
負債合計 7,917百万円 999百万円増加(14.4%増)
流動負債 6,630百万円 724百万円増加(12.3%増)
固定負債 1,287百万円 274百万円増加(27.1%増)

3. 純資産

項目 数値 前年度比
純資産合計 23,627百万円 1,498百万円増加(6.8%増)

トレンド分析

資産は全体として増加しており、特に流動資産が大きく増加しています。負債も増加していますが、特に固定負債の増加率が高く、株式給付信託制度に係る株式報酬引当金の増加が影響しています。純資産は増加しており、親会社株主に帰属する当期純利益の計上が寄与しています。

売上高、営業利益、純利益の数値を抽出し、過去との比較

項目 2023年度 2022年度
売上高 20,414百万円(前期比13.7%増) 18,951百万円
営業利益 3,080百万円(前期比29.5%増) 2,379百万円
純利益 2,150百万円(前期比30.6%増) 1,645百万円

トレンド分析

全体的に、売上高、営業利益、純利益ともに前年からの増加が見られ、特に営業利益と純利益の成長率が高いことが特徴です。これは、販売プロセスの効率化や新規事業の展開が功を奏していることを示唆しています。

営業利益率と純利益率の計算および過去との比較トレンド

営業利益率の計算

営業利益 = 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費

営業利益率 = 営業利益 / 売上高 × 100

純利益率の計算

純利益率 = 経常利益 / 売上高 × 100

過去との比較トレンド

営業利益率や純利益率の過去の数値は文書に記載されていないため、比較はできませんが、営業損失が発生しているため、営業利益率は悪化しています。

結論

営業利益は損失を出している一方で、経常利益は改善していることがわかります。営業利益率の悪化は、売上原価や販売費及び一般管理費の増加によるものと考えられます。

重要な情報の要約

項目 数値
整水器関連事業の売上高 5,348百万円(前期比5.8%増)
インドネシアのボトルドウォーター事業の売上高 2,267百万円(前期比38.4%増)
医療関連事業の売上高 2,636百万円(前期比15.3%増)
電解水透析事業の売上高 60百万円(前期比48.0%減)
再生医療関連事業の売上高 2,576百万円(前期比18.7%増)

成長セグメントとリスクの高いセグメント

  • 成長セグメント: 海外ボトルドウォーター事業、再生医療関連事業
  • リスクの高いセグメント: 電解水透析事業

まとめ

株式会社日本トリムは、国内カートリッジ販売と海外ボトルドウォーター事業での成長が顕著であり、特に海外事業は大きな成長を見せています。一方で、電解水透析事業はリスクが高く、売上が減少しています。全体としては、売上高と経常利益が増加しており、経営は好調であると評価できます。

新規に参入した事業セグメント

株式会社日本トリムは、現在の主軸事業である整水器関連事業の他に、新たな事業軸を構築することが必要であると考えています。特に注力しているのは医療関連事業であり、電解水透析事業や細胞バンク事業に取り組んでいます。また、農業分野や工業分野でも電解水素水による新規事業の創出を目的とした研究開発を進めています。

リスク要因

まとめ

これらのリスク要因を考慮し、企業はリスク管理体制を強化し、持続的な成長を目指しています。