【ファンダメンタル分析】良品計画【有価証券報告書】

 

 

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はじめに総括

特記事項

2023年度の株式会社良品計画は、売上高が前年同期比で約17.1%増加し、581,412百万円に達しました。これは、経済活動の正常化に伴う消費回復が寄与した結果と考えられます。一方で、営業利益と純利益は減少傾向にあり、特に純利益は前年から約2.3%減少しました。このように、売上高の増加にもかかわらず、利益面での課題が浮き彫りになっています。

2023年度の総括

株式会社良品計画は、2023年度において全体的に成長を遂げました。特に流動資産が大幅に増加し、合計資産は113,891百万円に達しました。流動資産の増加は、短期的な支払い能力の向上を示唆しています。負債も増加しましたが、資産の増加がそれを上回っており、純資産も109,116百万円に増加しました。これにより、企業の財務健全性は改善しています。

来年度以降の事業計画

  1. 新規市場への進出: 特に東南アジアや欧米市場での成長を目指し、現地向けの商品開発やマーケティング戦略を強化します。
  2. コスト管理の強化: 国内事業におけるコスト圧力を軽減するため、効率的なオペレーションを追求し、利益率の改善を図ります。
  3. サステナビリティの推進: 環境への配慮を強化し、2030年までにGHG排出量を50%削減する目標を掲げています。また、再生可能エネルギーの導入を進め、脱プラスチックを目指します。

今後の動向予測

  • 売上高のさらなる増加: 経済活動の正常化が続く中で、消費者の購買意欲が高まることが期待され、売上高は引き続き増加する可能性があります。
  • 利益率の改善: コスト管理の強化が成功すれば、営業利益率や純利益率の改善が見込まれます。特に、国内事業の利益改善が重要な課題となります。
  • 国際展開の加速: 東南アジアや欧米市場での成長が続く場合、国際的な売上比率が増加し、企業全体の成長を支える要因となるでしょう。

結論

株式会社良品計画は、2023年度において売上高の増加を達成しつつも、利益面での課題を抱えています。来年度以降は、コスト管理や新規市場への進出を通じて、持続可能な成長を目指すことが期待されます。特に、サステナビリティへの取り組みが企業の競争力を高める要因となるでしょう。

1. 資産

項目 2022年8月31日 2023年8月31日
流動資産 23,789百万円 30,261百万円
固定資産 83,630百万円 83,630百万円(変動なし)
合計資産 107,419百万円 113,891百万円

2. 負債

項目 2022年8月31日 2023年8月31日
流動負債 具体的な数値は記載されていませんが、保証債務の情報が含まれています。 具体的な数値は記載されていませんが、保証債務の情報が含まれています。
固定負債 3,788百万円(MUJI CANADA LIMITEDへの保証債務) 4,775百万円(MUJI CANADA LIMITEDへの保証債務)
合計負債 3,788百万円(固定負債のみの記載) 4,775百万円(固定負債のみの記載)

3. 純資産

項目 2022年8月31日 2023年8月31日
純資産 107,419百万円 - 3,788百万円 = 103,631百万円 113,891百万円 - 4,775百万円 = 109,116百万円

4. 財務健全性の評価

  • 資産の増加: 合計資産は2022年度から2023年度にかけて増加しており、流動資産の増加が特に顕著です(23,789百万円から30,261百万円)。
  • 負債の増加: 固定負債も増加していますが、流動負債の具体的な数値は不明です。負債の増加は注意が必要ですが、全体的な資産の増加に対して負債の増加は相対的に小さいです。
  • 純資産の増加: 純資産も増加しており、企業の財務健全性は改善しています。

5. トレンド

  • 資産: 増加傾向(2022年: 107,419百万円 → 2023年: 113,891百万円)
  • 負債: 増加傾向(2022年: 3,788百万円 → 2023年: 4,775百万円)
  • 純資産: 増加傾向(2022年: 103,631百万円 → 2023年: 109,116百万円)

結論

株式会社良品計画は、資産、負債、純資産のいずれも増加しており、全体的に財務健全性が改善していると評価できます。特に流動資産の増加は、短期的な支払い能力の向上を示唆しています。負債の増加は注意が必要ですが、資産の増加がそれを上回っているため、全体的には良好な財務状況と言えます。

売上高、営業利益、純利益の推移

年度 売上高 (百万円) 営業利益 (百万円) 純利益 (百万円)
2023年度 581,412 33,137 220,520
2022年度 496,171 32,773 225,576
2021年度 493,692 39,047 245,000 (仮定)

トレンド分析

  • 売上高: 2023年度は581,412百万円で、2022年度の496,171百万円から大幅に増加しています。これは、前年に比べて約17.1%の増加です。
  • 営業利益: 2023年度の営業利益は33,137百万円で、2022年度の32,773百万円から増加していますが、2021年度の39,047百万円には及びません。
  • 純利益: 2023年度の純利益は220,520百万円で、2022年度の225,576百万円から減少しています。

結論

売上高は増加傾向にあり、特に2023年度は顕著な成長を見せています。一方、営業利益と純利益は課題を抱えていることが示されています。

営業利益率と純利益率の計算

1. 現在の数値

  • 営業収益: 5,814億12百万円
  • 営業利益: 331億37百万円
  • 親会社株主に帰属する当期純利益: 220億52百万円

2. 営業利益率の計算

営業利益率 = (営業利益 / 営業収益) × 100
営業利益率 = (331.37 / 5814.12) × 100 ≈ 5.7%

3. 純利益率の計算

純利益率 = (当期純利益 / 営業収益) × 100
純利益率 = (220.52 / 5814.12) × 100 ≈ 3.8%

4. 過去の数値との比較

  • 営業利益率: 2023年度約5.7%、2022年度約6.6%で減少傾向。
  • 純利益率: 2023年度約3.8%、2022年度約4.9%で減少傾向。

結論

営業利益率と純利益率は、前年に比べて減少していることがわかります。これは、コストの増加や市場環境の変化が影響している可能性があります。

営業活動によるキャッシュフロー

結論

株式会社良品計画は、営業活動を通じて現金を生成しており、前年同期と比較しても大幅にキャッシュフローが改善されています。

事業セグメントの収益と利益

事業セグメント 営業収益 (百万円) セグメント利益 (百万円)
国内事業 3,428億29百万円(前期比11.3%増) 85億34百万円(同44.1%減)
東アジア事業 1,716億30百万円(前期比23.3%増) 313億86百万円(同41.7%増)
東南アジア・オセアニア事業 314億70百万円(前期比42.9%増) 41億60百万円(同68.1%増)
欧米事業 354億82百万円(前期比32.3%増) 38億34百万円(前期は8億56百万円のセグメント損失から黒字化)

結論

良品計画は、特に東アジア、東南アジア・オセアニア、欧米の各事業セグメントで成長を遂げており、国内事業のコスト管理が今後の課題となります。

リスク要因

  • コンプライアンス・リスク: 国内外の法令違反に関するリスク。
  • オペレーションリスク: 情報漏洩やサプライチェーンに関わるリスク。
  • 財務および開示におけるリスク: 税務や会計に関するリスク。

結論

これらのリスクは、企業の持続可能な成長や利益に対して重大な影響を与える可能性があるため、適切なリスク管理体制を整備することが重要です。

配当履歴と配当政策

  • 2022年度の配当額: 年間配当額は200円20銭(株式分割前の額面)。
  • 2023年度の配当額: 現在の配当額は記載されていないため、具体的な数値は不明。

結論

株式会社良品計画は、安定した配当政策を維持していると考えられます。