【ファンダメンタル分析】芝浦機械【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

2023年度の芝浦機械株式会社は、売上高、営業利益、純利益のいずれも前年に比べて大幅に増加し、特に営業利益は136.1%増、純利益は178.2%増という顕著な成長を示しました。この成長は、リチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の需要増加に起因しています。

2023年度の総括

項目 金額 前年度比
売上高 1,606億5千3百万円 30.4%増
営業利益 136億1千4百万円 136.1%増
純利益 179億2千万円 178.2%増

これらの数値は、企業の成長戦略が成功していることを示しており、特にリチウムイオン電池関連の需要が業績を押し上げています。また、資産、負債、純資産のトレンドも良好で、財務健全性が向上しています。

来年度以降の事業計画

  1. 成形機事業の強化: リチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の需要が高まっているため、この分野への投資を継続し、製品ラインの拡充を図ります。
  2. 外市場の拡大: 海外売上高が73.7%を占めているため、特に北米やアジア市場でのシェア拡大を目指します。
  3. 技術革新と効率化: 生産性向上のための技術革新を進め、コスト削減を図ります。

今後の動向予測

  1. 売上高の成長: リチウムイオン電池関連の需要が引き続き高まると予想され、2024年度も売上高は増加する見込みです。市場の成長率を考慮すると、売上高は1,800億円を超える可能性があります。
  2. 利益率の改善: 営業利益率と純利益率が改善傾向にあるため、効率的な運営が続けば、利益率も向上するでしょう。営業利益率は10%を超える可能性があります。
  3. リスク管理の強化: 海外依存リスクや調達品の納入遅延、価格上昇のリスクが存在するため、これらのリスクに対する管理体制を強化する必要があります。

結論

芝浦機械株式会社は、2023年度において顕著な成長を遂げ、財務健全性も向上しています。来年度以降も成形機事業の強化や海外市場の拡大を通じて成長を続ける見込みですが、リスク要因に対する適切な管理が求められます。全体として、企業の成長が期待される状況にあります。

資産、負債、純資産の構成とそのトレンド

1. 資産

  • 連結会計年度末の資産合計: 2,531億7千2百万円
  • 連結会計年度末の資産合計: 2,051億円(おおよその計算)

2. 負債

  • 連結会計年度末の負債合計: 1,414億6千6百万円
  • 連結会計年度末の負債合計: 1,159億8千2百万円(おおよその計算)

3. 純資産

  • 連結会計年度末の純資産合計: 1,117億5百万円
  • 連結会計年度末の純資産合計: 891億7千万円(おおよその計算)

4. トレンド分析

  • 資産のトレンド: 資産は前年度に比べて480億7千1百万円増加しました。
  • 負債のトレンド: 負債は254億8千4百万円増加しましたが、財務健全性が向上している可能性があります。
  • 純資産のトレンド: 純資産は225億8千7百万円増加しており、企業の自己資本比率が改善しています。

5. 財務健全性の評価

  • 自己資本比率: 純資産が増加していることから、自己資本比率が向上しています。
  • 負債比率: 負債の増加が資産の増加に対して相対的に少ないため、負債比率も改善している可能性があります。

流動比率自己資本比率の計算

1. 流動比率の計算

流動比率は以下の式で計算されます。

流動比率 = (流動資産 / 流動負債) × 100
連結会計年度(2024年3月31日)
連結会計年度(2023年3月31日)

2. 自己資本比率の計算

自己資本比率は以下の式で計算されます。

自己資本比率 = (自己資本 / 総資本) × 100
連結会計年度(2024年3月31日)
連結会計年度(2023年3月31日)

3. 支払い能力の判断

4. トレンド分析

  • 流動比率: 減少傾向にありますが、依然として高い水準を維持しています。
  • 自己資本比率: ほぼ横ばいであり、安定した財務基盤を示しています。

結論

芝浦機械株式会社は、短期および長期の支払い能力が良好であり、流動比率自己資本比率の両方が健全な水準にあります。流動比率の減少は注意が必要ですが、依然として高い水準を維持しているため、短期的な支払い能力には問題がないと判断されます。

売上高、営業利益、純利益の数値

項目 金額
売上高 1,606億5千3百万円 (前連結会計年度比30.4%増)
営業利益 136億1千4百万円 (前連結会計年度比136.1%増)
純利益 179億2千万円 (前連結会計年度比178.2%増)

過去のトレンド

利害関係営業利益率と純利益率の計算

1. 利害関係営業利益率の計算

営業利益率の計算:

営業利益率 = (営業利益 / 売上高) × 100
連結会計年度
  • 営業利益率 ≈ 8.48%
連結会計年度
  • 営業利益率 ≈ 4.68%

2. 純利益率の計算

純利益率の計算:

純利益率 = (当期純利益 / 売上高) × 100
連結会計年度
  • 純利益率 ≈ 11.15%
連結会計年度
  • 純利益率 ≈ 5.21%

3. トレンドの比較

  • 営業利益率: 増加(+3.80ポイント)
  • 純利益率: 増加(+5.94ポイント)

営業活動によるキャッシュフローの概要

  • 売上高: 1,606億5千3百万円
  • 営業利益: 136億1千4百万円
  • 経常利益: 146億4百万円
  • 親会社株主に帰属する当期純利益: 179億2千万円

事業セグメントの収益状況とトレンドの分析

1. 成形機事業

  • 売上高: 1,235億2千1百万円(前連結会計年度比43.7%増)
  • 営業利益: 129億5千6百万円(前連結会計年度比180.9%増)
  • 海外比率: 84.3%
  • 受注高: 895億9千3百万円(前連結会計年度比42.2%減)

2. 工作機械事業

情報が記載されていないため不明

3. その他のセグメント

情報が記載されていないため不明

4. 成長セグメントとリスクの高いセグメント

成形機事業は成長が見込まれますが、中国市場の景気低迷により受注高が減少しているため、リスクも存在します。

潜在的なリスク要因の評価

  • 期末経営成績の変動
  • 競合等の影響
  • 海外依存リスク
  • 調達品の納入遅延、価格上昇
  • 金利変動リスク
  • 退職給付債務
  • 自然災害、感染症の流行、紛争及びテロ等
  • 情報セキュリティ

結論

企業はこれらのリスクを認識し、適切なリスク管理体制を構築することが求められます。

配当政策、配当性向、将来の配当予想

1. 配当政策

安定配当を維持し、業績に応じた利益配分を基本方針としています。

2. 配当金支払額

  • 1株当たり配当額: 70.00円
  • 配当金の総額: 1,691百万円

3. 配当性向

配当性向 ≈ 94.4%

4. 将来の配当予想

2024年度も同様の配当水準を維持する可能性が高いと考えられます。

5. 配当利回り

仮に株価が1,000円とした場合、配当利回りは7.0%となります。

6. 過去との比較トレンド

  • 2022年度の配当金支払額: 905百万円
  • 2023年度の配当金支払額: 1,691百万円

結論

芝浦機械株式会社は、安定した配当政策を維持しつつ、業績に応じた利益配分を行っています。配当性向が高く、株主還元に積極的な姿勢が評価されます。