【ファンダメンタル分析】ミルボン【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

株式会社ミルボンは2023年度において、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益が前年に比べて減少しました。特に営業利益の減少率が目立ち、経営成績に対する懸念が示唆されます。

2023年度の総括

項目 2023年度 2022年度 増減率
資産合計 16,268,129千円 15,410,019千円 約5.57%増
負債合計 2,096,518千円 2,096,710千円 約0.01%減
純資産 14,171,611千円 13,313,309千円 約6.45%増
営業活動によるキャッシュフロー 47億65百万円 - -
売上高 477億62百万円 - -
営業利益 55億25百万円 59億93百万円 約7.8%減
親会社株主に帰属する当期純利益 40億1百万円 42億61百万円 約6.1%減

来年度以降の事業計画

  1. グローバル展開の強化: 中期事業構想(2022-2026)に基づき、海外市場への進出を強化し、特にアジア市場でのシェア拡大を目指します。
  2. デジタル化の推進: デジタル対応の遅れを克服するため、オンライン販売やデジタルマーケティングの強化を図ります。
  3. 持続可能性への取り組み: 2050年までにカーボンニュートラルを目指し、環境への配慮を強化します。
  4. 人的資本の強化: 女性管理職比率を2030年までに20%に引き上げる目標を掲げ、多様性のある組織作りを進めます。

今後の動向予測

  1. 売上高の回復: グローバル展開やデジタル化の推進により、売上高は回復する可能性があります。
  2. 利益率の改善: コスト管理や効率化を進めることで、利益率の改善が見込まれます。
  3. 株主還元の維持: 配当政策を維持しつつ、業績回復に伴い配当金の増加が期待されます。
  4. リスク管理の強化: 内部統制や情報セキュリティの強化を進めることで、リスク要因への対応が期待されます。

結論

株式会社ミルボンは2023年度において、資産と純資産の増加が見られる一方で、売上高と利益の減少が懸念されます。今後はグローバル展開やデジタル化の推進を通じて業績回復を目指し、持続可能性への取り組みを強化することで、長期的な成長が期待されます。

財務状況の詳細

1. 資産

資産は貸借対照表の左側に記載されます。2023年度の資産の合計は以下の通りです。

  • 資産合計: 16,268,129千円

2. 負債

負債は流動負債と固定負債の合計であり、貸借対照表の右上部に記載されます。2023年度の負債の合計は以下の通りです。

  • 負債合計: 911,607千円(流動負債) + 1,184,911千円(固定負債) = 2,096,518千円

3. 純資産

純資産は貸借対照表の右下部に記載されます。2023年度の純資産の合計は以下の通りです。

  • 純資産合計: 16,268,129千円 - 2,096,518千円 = 14,171,611千円

4. 過去との比較

項目 2023年度 2022年度
資産合計 16,268,129千円 15,410,019千円
負債合計 2,096,518千円 2,096,710千円
純資産合計 14,171,611千円 13,313,309千円

5. トレンド分析

  • 資産の増加: 2023年度: 16,268,129千円, 2022年度: 15,410,019千円, 増加額: 858,110千円(約5.57%増)
  • 負債の減少: 2023年度: 2,096,518千円, 2022年度: 2,096,710千円, 減少額: 192千円(約0.01%減)
  • 純資産の増加: 2023年度: 14,171,611千円, 2022年度: 13,313,309千円, 増加額: 858,302千円(約6.45%増)

結論

株式会社ミルボンは2023年度において、資産が増加し、負債はわずかに減少し、純資産が増加しています。これは企業の財務健全性が向上していることを示唆しています。

営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフローは47億65百万円のプラスであり、企業が本業から現金を生成していることを示しています。

新規事業セグメントとリスク要因

新規に参入した事業セグメント

報告書には新規に参入した事業セグメントに関する具体的な記載はありませんでした。

リスク要因

  1. 労務管理
  2. ブランド保護
  3. 販売戦略の不徹底
  4. 事業継続計画(BCP
  5. 化粧品事業
  6. デジタル対応の遅れ
  7. 気候変動
  8. 品質・安全性保証
  9. 地政学
  10. 海外事業の失敗
  11. 事業投資の不透明性
  12. 為替・金利
  13. 研究開発遅延
  14. 市場環境の変化
  15. 内部統制不全
  16. 情報セキュリティ・機密情報管理
  17. 美容師向けシステム管理
  18. 原材料・資材・物流コスト
  19. 原材料の法規制・環境対応
  20. SDGsへの対応不足
  21. グローバルな物流網
  22. 貿易業務不備
  23. 危険物管理不備
  24. 海外での製品品質保証
  25. 消費者への情報発信
  26. 制作物・広告物の不備
  27. 社用車での交通事故・違反
  28. グループガバナンス
  29. 海外税制対応
  30. 人材育成
  31. コンプライアンス

監査状況

1. 取締役、執行役員との面談

代表取締役社長との面談では、中期事業構想(2022-2026)のグローバル展開や「ビューティプラットフォーム構想」について議論。

2. 国内拠点、海外子会社往査

常勤監査役は国内全拠点、海外子会社5社を往査。

3. 内部監査の状況

内部監査部は3名で構成され、内部監査年間計画に基づき監査を実施。

4. 会計監査の状況

監査法人の名称: 仰星監査法人

5. 監査報酬の内容

年度 監査報酬(千円)
連結会計年度 26,000
連結会計年度 30,000

6. 役員の報酬等

役員区分 報酬等の総額(千円)
取締役(社外取締役を除く) 248,367
監査役(社外監査役を除く) 192,114

7. 気候変動に関する取組み

2050年までにミルボングループのカーボンニュートラルを目指す。

8. CO2排出量の実績及び目標

年度 Scope1 (t-Co2) Scope2 (t-Co2)
2019年(基準年度) 1,248 1,357

9. 人的資本、多様性に関する取組み

女性管理職比率: 2022年実績: 10.3%, 2023年実績: 10.9%, 2030年目標: 20.0%

10. 水資源に関する取組み

ゆめが丘工場における水ストレス調査結果: ストレス度は「低(Low)」。

配当政策と配当履歴

配当政策

基本方針: 株主に対する利益還元を経営の重要課題として位置付け、業績に応じた配当を行うことを基本方針としています。

配当履歴

項目 金額(円)
年間配当 88
中間配当 40
期末配当 48
配当性向 71.6%

結論

株式会社ミルボンは、株主還元を重視し、業績に応じた配当を実施しています。配当性向が71.6%であることから、株主還元に対する姿勢が強いことが伺えます。