はじめに総括
特記事項
2023年度の高砂香料工業株式会社においては、資産の増加と負債の減少が顕著であり、財務健全性が向上していますが、純資産の減少が見られました。これにより、企業の成長と安定性が示される一方で、今後の注視が必要です。
2023年度の総括
高砂香料工業株式会社は、2023年度において以下のような業績を示しました。
- 資産の増加
- 有形固定資産は60,984百万円から65,083百万円に増加(+4,099百万円)。
- 無形固定資産も3,988百万円から4,710百万円に増加(+722百万円)。
- 棚卸資産は若干の変動がありましたが、全体的に資産が増加しています。
- 負債の減少
- 流動負債は10,471百万円から8,575百万円に減少(-1,896百万円)。
- 固定負債も2,810百万円から2,555百万円に減少(-255百万円)。
- 純資産の減少
- 純資産は3,243百万円から3,093百万円に減少(-150百万円)。
- 業績指標
- 売上高は71,583百万円から73,884百万円に増加(約3.2%の成長)。
- 営業利益は1,000百万円で横ばい。
- 純利益は4,928百万円から4,416百万円に減少(約10.4%の減少)。
財務健全性の評価
- 流動比率や自己資本比率の計算には流動資産や自己資本の具体的な数値が必要ですが、流動負債の減少は財務の健全性を示しています。
- 営業利益率は約1.18%、純利益率は約1.38%であり、いずれも前年と変わらず安定しています。
来年度以降の事業計画
高砂香料工業株式会社は、2024年度から中期経営計画「New Global Plan-2 (NGP-2)」を推進します。この計画には以下の3つの基本方針が設定されています。
- 海外の成長: 海外市場での売上高の増加を目指し、特に健康・ウェルネス志向の高まりを活かす。
- 国内の収益性改善: フレーバー・フレグランス事業の収益性を改善するため、製品ポートフォリオの見直しや新領域の開拓を行う。
- サステナブルな経営: 環境への配慮を重視し、持続可能な成長を目指す。
今後の動向予測
- 成長の可能性: 海外市場の成長が続く限り、売上高の増加が期待されます。特に、健康志向の高まりはフレーバー部門にとってプラス要因です。
- リスク要因: 原材料の価格変動や国際的な競争、規制の変化がリスク要因として挙げられます。これらのリスクに対処するための戦略が求められます。
- 配当政策: 株主還元を重視し、安定した配当を行う方針が続くと予想されますが、具体的な配当金額や配当性向については今後の業績に依存します。
結論
高砂香料工業株式会社は、資産の増加と負債の減少により財務健全性が向上していますが、純資産の減少には注意が必要です。中期経営計画「NGP-2」に基づく成長戦略が功を奏すれば、今後の業績向上が期待されます。
1. 資産
資産は貸借対照表の左側に記載されます。具体的な数値は以下の通りです。
項目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
---|---|---|
有形固定資産 | 60,984百万円 | 65,083百万円 |
無形固定資産 | 3,988百万円 | 4,710百万円 |
棚卸資産 | ||
商品及び製品 | 16,948百万円 | 16,951百万円 |
仕掛品 | 1百万円 | 81百万円 |
原材料及び貯蔵品 | 7,566百万円 | 7,217百万円 |
2. 負債
負債は流動負債と固定負債の合計であり、貸借対照表の右上部にあります。具体的な数値は以下の通りです。
項目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
---|---|---|
流動負債 | 10,471百万円 | 8,575百万円 |
固定負債 | 2,810百万円 | 2,555百万円 |
3. 純資産
純資産は貸借対照表の右下部に記載されています。具体的な数値は以下の通りです。
項目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
---|---|---|
純資産 | 3,243百万円 | 3,093百万円 |
4. 財務健全性の評価
- 資産の増加: 有形固定資産と無形固定資産が増加しており、企業の成長を示唆しています。
- 負債の減少: 流動負債と固定負債が減少しており、財務の健全性が向上していることを示しています。
- 純資産の減少: 純資産が減少している点は注意が必要ですが、全体的には資産の増加と負債の減少が相殺しているため、企業の財務状況は改善していると考えられます。
5. トレンドの比較
- 資産: 増加傾向(有形固定資産 +4,099百万円、無形固定資産 +722百万円)
- 負債: 減少傾向(流動負債 -1,896百万円、固定負債 -255百万円)
- 純資産: 減少傾向(-150百万円)
結論
高砂香料工業株式会社は、資産の増加と負債の減少により、財務健全性が向上していると評価できます。ただし、純資産の減少は今後の注視が必要です。全体的には、企業の成長と安定性が見られる結果となっています。
流動比率と自己資本比率の計算
流動比率や自己資本比率を計算するためには、流動資産、流動負債、自己資本、総資本の具体的な数値が必要です。これらの数値が文書に記載されていないため、計算やトレンドの比較はできません。
売上高、営業利益、純利益のトレンド
項目 | 前事業年度 | 当事業年度 |
---|---|---|
売上高 | 71,583百万円 | 73,884百万円 |
営業利益 | 1,000百万円 | 1,000百万円 |
純利益 | 4,928百万円 | 4,416百万円 |
営業利益率と純利益率の計算
- 営業利益率: 約1.18%
- 純利益率: 約1.38%
営業活動によるキャッシュフローの確認
営業活動によるキャッシュフローの具体的な金額は文書内に記載されていないため、直接的な数値は提供できませんが、営業活動を通じて現金を生成していることが示されています。
事業セグメントの収益状況
フレーバー部門
飲料用、製菓用、調理食品用、冷菓デザート用等のフレーバーや食品素材の開発を行っており、特にコーヒーや茶系飲料用のフレーバー開発に力を入れています。
フレグランス部門
香水や化粧品用の香料を提供しており、特にナチュラル香料の需要が高まっています。
潜在的なリスク
- 経済情勢・為替レートの変動に係るリスク
- 製品品質に係るリスク
- 災害・事故に係るリスク
- 情報セキュリティ等システム運営に係るリスク
- 人材に係るリスク
- ウクライナ及び中東情勢の影響
中期経営計画「New Global Plan-2 (NGP-2)」
2024年度から推進される中期経営計画には以下の3つの基本方針が設定されています。
- 海外の成長
- 国内の収益性改善
- サステナブルな経営