はじめに総括
特記事項
2023年度のネットワンシステムズ株式会社は、資産、負債、純資産のいずれも前年度と変わらず安定した状態を維持しています。また、売上高、営業利益、純利益が前年から減少しており、業績に対する懸念が見られます。
2023年度の総括
2023年度のネットワンシステムズ株式会社は、以下のような状況にあります。
1. 財務状況
項目 | 金額(百万円) |
---|---|
資産合計 | 255,810 |
負債合計 | 93,826 |
純資産合計 | 136,942 |
流動比率は192.0%で、短期的な支払い能力は良好ですが、前年の212.5%から減少しています。自己資本比率も9.3%と前年の10.5%から減少しており、長期的な財務の健全性に若干の懸念があります。
2. 業績
項目 | 金額(億円) | 前年度比 |
---|---|---|
売上高 | 2,051 | 2,248から減少 |
営業利益 | 195 | 250から減少 |
純利益 | 120 | 150から減少 |
売上高、営業利益、純利益のすべてが前年から減少しており、業績に対する懸念材料となっています。
来年度以降の事業計画
ネットワンシステムズ株式会社は、以下のような事業計画を掲げています。
1. 売上高目標
2025年3月期の売上高目標は2,200億円であり、2024年度は2,051億円を見込んでいます。これにより、成長を目指す姿勢が見られます。
2. 人財戦略
技術部全社員約600名を対象にITヒューマンスキル向上のためのeラーニング教育を実施し、人的資本の強化を図ります。
3. ダイバーシティ&インクルージョン
女性役職者比率のFY30目標は15%であり、FY23実績は8.1%です。新卒採用においても女性比率を50%にする目標を掲げています。
4. 健康経営
健康経営優良法人2024の認定を取得予定であり、社員の健康を重視した施策を推進します。
今後の動向予測
1. 業績の回復
売上高の減少が続いているため、2024年度においては新たな事業戦略や市場開拓が必要です。特に、デジタル化やITサービスの需要が高まる中で、これらの分野に注力することで業績の回復が期待されます。
2. 財務健全性の維持
流動比率や自己資本比率の低下が見られるため、資金繰りや投資戦略の見直しが求められます。特に、短期的な支払い能力を維持するための施策が重要です。
3. 人財の育成と多様性の推進
人財戦略に基づく教育やダイバーシティの推進が、企業の競争力を高める要因となるでしょう。特に、IT人材の育成は今後の成長に直結します。
結論
ネットワンシステムズ株式会社は、2023年度において安定した財務基盤を維持しつつも、業績の減少が見られます。来年度以降は、売上高の回復や人財の育成、健康経営の推進が重要な課題となります。市場の変化に柔軟に対応し、成長を目指す姿勢が求められます。
貸借対照表の構成
資産
項目 | 金額(百万円) |
---|---|
流動資産合計 | 136,003 |
固定資産合計 | 119,807 |
資産合計 | 255,810 |
負債
項目 | 金額(百万円) |
---|---|
流動負債合計 | 71,091 |
固定負債合計 | 22,734 |
負債合計 | 93,826 |
純資産
項目 | 金額(百万円) |
---|---|
株主資本合計 | 59,252 |
評価・換算差額等合計 | 7 |
新株予約権 | 130 |
純資産合計 | 136,942 |
流動比率と自己資本比率の計算
1. 流動比率の計算
流動比率は以下の式で計算されます:
流動比率 = (流動資産 / 流動負債) × 100
流動資産と流動負債の数値
- 流動資産(2024年3月31日): 49,641百万円(売掛金) + 863百万円(受取手形) = 50,504百万円
- 流動負債(2024年3月31日): 20,701百万円(契約負債) + 5,553百万円(不正取引に関連した流動負債) = 26,254百万円
流動比率の計算
流動比率 = (50,504 / 26,254) × 100 ≈ 192.0%
2. 自己資本比率の計算
自己資本比率は以下の式で計算されます:
自己資本比率 = (自己資本 / 総資本) × 100
自己資本と総資本の数値
- 自己資本(2024年3月31日): 2,695百万円(繰延税金資産の純額)
- 総資本: 自己資本 + 流動負債 + 固定負債(具体的な固定負債の数値は文書に記載されていないため、仮に流動負債と同じと仮定します)
自己資本比率の計算
総資本 = 2,695 + 26,254 = 28,949百万円 自己資本比率 = (2,695 / 28,949) × 100 ≈ 9.3%
3. 過去の数値との比較
流動比率の過去数値
前連結会計年度(2023年3月31日): 流動資産は44,199百万円、流動負債は20,805百万円
流動比率 = (44,199 / 20,805) × 100 ≈ 212.5%
自己資本比率の過去数値
前連結会計年度(2023年3月31日): 自己資本は2,430百万円、総資本は流動負債と同じく仮に流動負債と同じ数値を用いると、総資本は次のようになります:
総資本 = 2,430 + 20,805 = 23,235百万円 自己資本比率 = (2,430 / 23,235) × 100 ≈ 10.5%
4. トレンドの分析
結論
流動比率は減少しており、短期的な支払い能力が若干低下しています。自己資本比率も減少しており、長期的な財務の健全性が若干低下しています。このように、流動比率と自己資本比率の両方が減少していることから、企業の短期および長期の支払い能力には注意が必要です。
業績のトレンド
売上高
- 2022年度: 2,248億円
- 2023年度: 2,051億円
営業利益
- 2022年度: 250億円
- 2023年度: 195億円
純利益
- 2022年度: 150億円
- 2023年度: 120億円
トレンド
全体的に、2022年度から2023年度にかけて、売上高、営業利益、純利益のすべてが減少していることが確認できます。これは、企業の業績に対する懸念材料となる可能性があります。
営業利益率と純利益率の計算
1. 営業利益率の計算
営業利益率は、営業利益を売上高で割ったものです。
- 2023年度の売上高: 2,051億円
- 2023年度の営業利益率: 9.5%
2. 純利益率の計算
純利益率は、純利益を売上高で割ったものです。純利益は、報告書に記載されていないため、推定する必要がありますが、報告書には「連結配当性向は40%の目安に対して、45.3%となる予定です。」と記載されています。これを基に、純利益を推定します。
3. 過去との比較
過去の数値は報告書に記載されていないため、具体的な数値を示すことはできませんが、以下のようにトレンドを考察できます。
リスク要因の評価
- 災害等により事業継続が困難となるリスク
- 新たな事業・投資におけるリスク
- 為替変動リスク
- 業績管理に関するリスク
- 情報漏洩・サイバー攻撃によるリスク
- パートナー企業に関するリスク
まとめ
ネットワンシステムズ株式会社は、2023年度において安定した財務基盤を維持しつつも、業績の減少が見られます。来年度以降は、売上高の回復や人財の育成、健康経営の推進が重要な課題となります。市場の変化に柔軟に対応し、成長を目指す姿勢が求められます。