はじめに総括
特記事項
コムチュア株式会社は2023年度において、資産、負債、純資産の全体的なトレンドとして、資産は減少傾向にあり、負債も減少していますが、純資産は増加しています。特に、流動資産の減少が目立ち、現金及び預金や受取手形及び売掛金が減少したことが影響しています。
2023年度の総括
コムチュア株式会社の2023年度の有価証券報告書に基づくと、以下のような財務状況が確認されます。
- 資産の減少: 資産合計は23,442百万円で、前年度の30,778百万円から減少しています。特に流動資産が大きく減少し、流動資産合計は16,785百万円(前年度: 22,359百万円)となっています。
- 負債の減少: 負債合計は10,938百万円で、前年度の12,169百万円から減少しています。流動負債も減少しており、特に買掛金や未払費用が減少しています。
- 純資産の増加: 純資産合計は16,805百万円で、前年度の15,097百万円から増加しています。利益剰余金が増加したことが主な要因です。
- 財務健全性: 流動比率は179.5%(前年度: 182.5%)、自己資本比率は71.7%(前年度: 69.3%)であり、短期および長期の支払い能力は良好です。
来年度以降の事業計画
コムチュア株式会社は、以下のような事業計画を掲げています。
- デジタル・トランスフォーメーション(DX)への注力: DX支援のためのサービスを強化し、顧客のビジネスモデル変革を支援することを目指しています。
- 人材育成と確保: エンジニアの確保が最優先課題であり、社員の待遇向上や新卒社員の早期戦力化を図るためのリスキリングを実施します。
- M&A戦略: タクトシステムズ株式会社の株式取得を通じて、グループの成長を加速させるためのM&Aにも積極的に取り組みます。
- 生成AIへの取り組み: 生成AIに関する新たな事業セグメントの開発を進め、クラウド事業での競争力を高めることを目指します。
今後の動向予測
コムチュア株式会社は、以下のような動向が予測されます。
- 収益性の改善: DX支援や人材育成の強化により、収益性が改善する可能性があります。特に、営業利益は改善傾向にあり、今後の業績向上が期待されます。
- 安定した配当政策: 配当金の支払いが安定しており、将来的には企業の成長に伴い配当金の増加が期待されます。
- リスク管理の重要性: 収益の認識基準やプロジェクト管理に関するリスクが依然として存在するため、これらのリスクを適切に管理することが企業の持続的な成長に寄与するでしょう。
結論
コムチュア株式会社は、財務基盤が強化されており、デジタル技術の進展に伴う成長機会を捉えた事業計画を進めています。人材の確保や育成、M&A戦略を通じて、持続的な成長が期待されます。今後の業績向上に向けた取り組みが注目されます。
1. 資産の構成
項目 | 2023年度 | 前年度 |
---|---|---|
流動資産 | 16,785百万円 | 22,359百万円 |
固定資産 | 6,640百万円 | 8,419百万円 |
資産合計 | 23,442百万円 | 30,778百万円 |
2. 負債の構成
項目 | 2023年度 | 前年度 |
---|---|---|
流動負債 | 8,658百万円 | 9,889百万円 |
固定負債 | 2,280百万円 | 2,280百万円 |
負債合計 | 10,938百万円 | 12,169百万円 |
3. 純資産の構成
項目 | 2023年度 | 前年度 |
---|---|---|
株主資本 | 15,089百万円 | 13,808百万円 |
その他の包括利益累計額 | 7百万円 | 12百万円 |
純資産合計 | 16,805百万円 | 15,097百万円 |
4. 財務健全性の評価
資産合計は前年より減少しており、特に流動資産の減少が目立ちます。負債合計も前年より減少しており、流動負債の減少が寄与しています。純資産合計は前年より増加しており、利益剰余金の増加が主な要因です。
5. トレンドの比較
資産、負債、純資産の全体的なトレンドとして、資産は減少傾向にあり、負債も減少していますが、純資産は増加しています。これは、企業が利益を上げている一方で、資産の管理や負債の圧縮に取り組んでいることを示唆しています。
流動比率と自己資本比率の計算
1. 流動比率の計算
流動比率は、流動資産を流動負債で割った比率で、短期的な支払い能力を示します。
流動比率 = (流動資産 / 流動負債) × 100 = (10,202 / 5,673) × 100 ≈ 179.5%
2. 自己資本比率の計算
自己資本比率は、自己資本を総資本で割った比率で、長期的な支払い能力を示します。
自己資本比率 = (自己資本 / 総資本) × 100 = (16,805 / 23,442) × 100 ≈ 71.7%
3. トレンドの比較
流動比率は179.5%であり、短期的な支払い能力は良好です。自己資本比率は71.7%であり、長期的な支払い能力も非常に良好です。
結論
コムチュア株式会社は、短期的および長期的な支払い能力がともに良好であり、財務基盤が強化されていることが確認されました。
業績のトレンド比較
売上高
前連結会計年度(2023年3月31日): 34,185百万円
当連結会計年度(2024年3月31日): 34,185百万円
営業利益の計算
営業利益 = 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費
前連結会計年度: -1,102百万円
当連結会計年度: -1,062百万円
純利益の計算
前連結会計年度: 2,801百万円
当連結会計年度: 1,683百万円
トレンドの比較
売上高は前年と変わらず、営業利益は改善していますが、依然として赤字です。純利益は減少しています。
結論
コムチュア株式会社は、売上高は安定しているものの、営業利益は改善傾向にあるものの依然として赤字であり、純利益は前年よりも減少しています。
配当政策の評価
1. 配当履歴
2023年度の配当金支払額は合計で1,358百万円です。
2. 配当政策
コムチュア株式会社は、持続的な成長を目指し、株主還元を重視した配当政策を採用しています。
3. 将来の配当予想
2023年6月23日 定時株主総会での配当金は350百万円(1株当たり11.00円)と予想されています。
結論
コムチュア株式会社は、安定した配当政策を維持しており、将来的な成長に伴う配当の増加が期待されます。