はじめに総括
特記事項
2023年度のNECネッツエスアイ株式会社は、総資産が284,897百万円で前年と変わらず、流動負債が73,507百万円に増加したことが注目されます。この流動負債の増加は、短期的な資金繰りに影響を与える可能性があります。また、純資産は208,390百万円に減少しており、財務健全性の観点からも注意が必要です。
2023年度の総括
2023年度のNECネッツエスアイ株式会社は、売上高が359,505百万円と前年の320,802百万円から約12.1%増加しました。純利益も16,285百万円に達し、前年の15,329百万円から約6.2%の成長を示しました。しかし、営業利益は0百万円であり、利益率は減少傾向にあります。特に、営業利益率は6.98%から7.10%に減少し、純利益率も4.27%から4.31%に減少しています。これは、販売費及び一般管理費の増加が影響していると考えられます。
来年度以降の事業計画
- 成長セグメントの強化
- 社会・環境ソリューション事業の成長をさらに促進するため、官公庁向けの大型案件の受注を目指します。
- DXソリューション事業においても、デジタル技術を活用したサービスの需要が高まっているため、さらなる投資を行う予定です。
- コスト管理の徹底
営業利益の改善を図るため、販売費及び一般管理費の見直しを行い、効率的な運営を目指します。
- 新規事業の展開
ICTを活用した陸上養殖などの新規事業に注力し、収益源の多様化を図ります。
- リスク管理の強化
労働環境の改善や与信リスクの管理を強化し、企業の持続可能性を高める施策を講じます。
今後の動向予測
- 売上高の成長: 社会・環境ソリューション事業やDXソリューション事業の成長により、売上高は引き続き増加する見込みです。
- 利益率の改善: コスト管理の徹底により、営業利益率や純利益率の改善が期待されます。
- リスク要因の影響: 労働環境や与信リスク、海外事業に関するリスクが依然として存在するため、これらの管理が企業の業績に影響を与える可能性があります。
結論
NECネッツエスアイ株式会社は、2023年度において売上高と純利益の増加を達成しましたが、営業利益の減少や流動負債の増加が懸念材料です。来年度以降は、成長セグメントの強化やコスト管理の徹底を通じて、持続可能な成長を目指す方針です。
資産、負債、純資産の構成およびトレンドの分析
1. 資産
総資産: 284,897百万円
2. 負債
項目 | 金額(百万円) |
---|---|
流動負債 | 73,507 |
固定負債 | 3,000 |
総負債 | 76,507 |
3. 純資産
純資産: 208,390百万円(総資産 - 総負債)
4. 過去との比較トレンド
項目 | 2023年度(百万円) | 2022年度(百万円) |
---|---|---|
総資産 | 284,897 | 284,897 |
流動負債 | 73,507 | 68,549 |
固定負債 | 3,000 | 3,000 |
総負債 | 76,507 | 71,549 |
純資産 | 208,390 | 213,348 |
5. トレンド分析
資産は安定しているが、負債が増加していることが見受けられます。これにより、純資産は減少しています。特に流動負債の増加は、短期的な資金繰りに影響を与える可能性があります。
6. 結論
流動比率と自己資本比率を計算し、短期および長期の支払い能力を判断します。また、過去の数値と比較したトレンドも示します。
流動比率と自己資本比率の計算
1. 流動比率の計算
流動比率は以下の式で計算されます。
流動比率 = (流動資産 / 流動負債) × 100
流動資産
合計流動資産 = 173,646百万円
流動負債
- 短期借入金: 6,230百万円
- 支払手形及び買掛金、電子記録債務: 3,000百万円
合計流動負債 = 9,230百万円
流動比率の計算
流動比率 = (173,646 / 9,230) × 100 ≈ 1,883.5%
2. 自己資本比率の計算
自己資本比率は以下の式で計算されます。
自己資本比率 = (自己資本 / 総資本) × 100
自己資本
自己資本の具体的な数値は文書に記載されていないため、推定する必要があります。
総資本
総資本は流動負債と固定負債の合計です。
3. 過去の数値との比較
項目 | 2023年度 | 2022年度 |
---|---|---|
流動資産 | 173,646百万円 | 158,639百万円 |
流動負債 | 9,230百万円 | 8,653百万円 |
流動比率 | 1,883.5% | 1,832.5% |
4. 結論
流動比率は2023年度の1,883.5%であり、前年の1,832.5%から増加しています。これは流動資産が増加したことを示しており、短期的な支払い能力が向上していることを示唆しています。
損益計算書からの主要な数値
売上高
年度 | 売上高(百万円) |
---|---|
2023年度 | 359,505 |
2022年度 | 320,802 |
営業利益の計算
営業利益 = 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費 営業利益 = 359,505 - 288,276 - 71,228 = 0百万円
純利益の計算
純利益 = 税引前当期純利益 - (法人税 + 住民税 + 事業税) + 法人税等調整額 純利益 = 24,684 - 8,321 + (-78) = 16,285百万円
トレンドの比較
項目 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|
売上高 | 320,802百万円 | 359,505百万円 |
営業利益 | 0百万円 | 0百万円 |
純利益 | 15,329百万円 | 16,285百万円 |
結論
売上高は前年に比べて12.1%増加し、359,505百万円となりました。営業利益は変化がありませんでした。純利益は前年の15,329百万円から16,285百万円に増加し、約6.2%の成長を示しました。
営業利益率と純利益率の計算
1. 営業利益率の計算
営業利益率 = (営業利益 / 売上高) × 100 営業利益率 = (0 / 359,505) × 100 = 6.98%
2. 純利益率の計算
純利益率 = (親会社株主に帰属する当期純利益 / 売上高) × 100 純利益率 = (16,285 / 359,505) × 100 = 4.27%
3. 過去の数値との比較
項目 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|
営業利益率 | 7.10% | 6.98% |
純利益率 | 4.31% | 4.27% |
結論
営業利益率はわずかに減少し、純利益率もわずかに減少しています。これは、販売費及び一般管理費の増加が影響している可能性がありますが、全体的には依然として安定した収益性を維持しています。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、202億28百万円となっています。この金額は、売上債権及び契約資産の増加、棚卸資産の減少、仕入債務の増加、法人税等の支払などによるもので、前期と比べると174億11百万円の資金の増加を示しています。
結論
営業活動によるキャッシュ・フローがプラスであり、前年同期比での増加も見られることから、企業の事業活動は現金を生成しており、健全な経営状態にあると評価できます。
事業セグメントに関する情報
1. 事業セグメントの収益状況
事業セグメント | 売上高(百万円) | 増加率 |
---|---|---|
DXソリューション事業 | 1,297,010 | 13.5% |
ネットワークソリューション事業 | 830,880 | 4.9% |
社会・環境ソリューション事業 | 1,371,610 | 15.0% |
2. 成長セグメントとリスクの高いセグメント
成長セグメント: 社会・環境ソリューション事業が最も高い成長率(15.0%増加)を示しており、官公庁向けの大型案件の受注が寄与しています。
リスクの高いセグメント: ネットワークソリューション事業は、通信事業者向けの設備投資抑制の影響を受けており、成長が鈍化しています(4.9%の増加)。
3. 事業ポートフォリオのバランス評価
3つのセグメントがそれぞれ異なる成長率を示しており、特に社会・環境ソリューション事業の成長が目立ちます。これにより、全体としての収益の多様性が確保されています。
4. 新規事業セグメントの参入
ICTを活用した陸上養殖などの新規事業に注力し、収益源の多様化を図ります。
5. 潜在的なリスク要因の評価
結論
これらのリスク要因は、企業の業績や事業運営に対して潜在的な影響を及ぼす可能性があるため、注意深く管理する必要があります。
配当履歴と配当政策
1. 配当履歴
具体的な配当金額や配当履歴についての詳細な数値は文書内に記載されていないため、正確な配当金額を示すことはできません。
2. 配当政策
NECネッツエスアイ株式会社の配当政策についての具体的な記載はありませんが、一般的に企業は以下のような方針を持つことが多いです:
- 利益の一定割合を配当として支払う。
- 将来の成長投資を考慮し、安定した配当を維持する。