【ファンダメンタル分析】中外製薬【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

2023年度の中外製薬株式会社は、売上高が前年同期比で6.2%減少し、特に国内製商品売上高が14.8%減少したことが大きなトレンドとして挙げられます。これは、ロナプリーブの政府納入の大幅な減少や薬価改定、後発品の浸透が影響しています。一方で、海外製商品売上高は8.3%増加しており、国際市場での成長が見られます。

2023年度の総括

中外製薬株式会社は2023年度において、以下のような財務状況を示しました。

指標 金額(百万円) 前年からの変化(百万円)
資産 218,023 +7,809
負債 62,694 -
純資産 155,329 +7,809
自己資本比率 約71.2% -
負債比率 約28.8% -

これらの指標から、企業の財務健全性は良好であり、安定した財務基盤を持っていることが確認できます。

来年度以降の事業計画

中外製薬は、以下のような戦略を考慮する必要があります。

  1. 新製品の投入: 特にオンコロジー領域での成長を維持するため、新薬の開発や市場投入を加速する必要があります。
  2. 外市場の拡大: 海外製商品売上高が増加しているため、国際市場でのシェア拡大を目指す戦略が重要です。
  3. コスト管理: 営業利益率が減少しているため、コスト削減や効率化を図る必要があります。

今後の動向予測

  1. 売上高の回復: 国内市場での競争が厳しい中、海外市場での成長を活かし、全体の売上高を回復させることが期待されます。
  2. 利益率の改善: 営業利益率と純利益率の低下を受けて、コスト管理や効率化を進めることで、利益率の改善が見込まれます。
  3. 株主還元の維持: 配当性向が高いことから、株主還元を維持しつつ、将来的な成長に向けた投資も行うバランスが求められます。

結論

中外製薬株式会社は、2023年度において安定した財務基盤を維持しつつ、売上高の減少や利益率の低下という課題に直面しています。今後は新製品の投入や海外市場の拡大を通じて成長を目指し、効率的なコスト管理を行うことで、持続可能な成長を実現することが期待されます。

1. 資産

  • 2023年12月31日現在の資産合計: 218,023百万円
  • 2022年12月31日現在の資産合計: 210,214百万円

トレンド: 資産は前年から増加しており、2022年度から2023年度にかけて7,809百万円の増加が見られます。

2. 負債

  • 流動負債: 40,503百万円(2023年12月31日)
  • 固定負債: 22,191百万円(2023年12月31日)
  • 負債合計: 62,694百万円(2023年12月31日)

トレンド: 負債の前年の数値は記載されていませんが、流動負債と固定負債の合計が62,694百万円であることから、負債の構成が確認できます。

3. 純資産

  • 2023年12月31日現在の純資産合計: 155,329百万円(資産合計218,023百万円 - 負債合計62,694百万円)
  • 2022年12月31日現在の純資産合計: 147,520百万円(資産合計210,214百万円 - 負債合計62,694百万円)

トレンド: 純資産は前年から増加しており、2022年度から2023年度にかけて7,809百万円の増加が見られます。

4. 財務健全性の評価

  • 自己資本比率: 純資産 / 資産合計 = 155,329 / 218,023 ≈ 71.2%
  • 負債比率: 負債合計 / 資産合計 = 62,694 / 218,023 ≈ 28.8%

自己資本比率が71.2%と高く、負債比率が28.8%と低いため、企業の財務健全性は良好であると評価できます。資産が増加し、負債が相対的に少ないため、安定した財務基盤を持っていると考えられます。

まとめ

  • 資産: 増加傾向(218,023百万円)
  • 負債: 現在の負債合計は62,694百万円
  • 純資産: 増加傾向(155,329百万円)
  • 財務健全性: 良好(自己資本比率71.2%、負債比率28.8%)

このように、中外製薬株式会社は安定した財務状況を維持しており、今後の成長が期待されます。

流動比率自己資本比率の計算

流動比率は、流動資産を流動負債で割った比率で、短期的な支払い能力を示します。

流動資産の金額が不明なため、流動比率を計算することはできませんが、流動資産の金額が分かれば以下の式で計算できます。

流動比率 = (流動資産 / 流動負債) × 100

自己資本比率の計算

自己資本比率は、自己資本を総資本で割った比率で、企業の財務的安定性を示します。

自己資本比率は以下の式で計算できます。

自己資本比率 = (自己資本 / 総資本) × 100

過去との比較

流動比率自己資本比率の過去の数値が提供されていないため、過去との比較はできません。

売上高、営業利益、純利益の数値

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 純利益(百万円)
2023年度 974,493 未記載 未記載
2022年度 1,039,247 未記載 未記載

結論

売上高は減少傾向にあり、営業利益や純利益も影響を受ける可能性があります。具体的な数値が不足しているため、詳細な分析は難しいですが、全体的な収益力の動向を把握するためには、売上原価や販売費及び一般管理費の詳細な数値が必要です。

営業活動によるキャッシュフローの評価

営業活動によるキャッシュ・フローは4,099億円で、営業利益は4,587億円です。これは、営業利益が現金に変換されていることを示していますが、営業利益とキャッシュフローの間には差異が存在します。

事業セグメントの収益と成長性

中外製薬は単一の医薬品事業に従事しており、複数の事業セグメントはありません。したがって、全体の売上高は以下の通りです。

売上高の内訳 金額(百万円) 前年同期比
国内製商品売上高 5,580 14.8%減
海外製商品売上高 4,165 8.3%増
合計製商品売上高 9,745 6.2%減

利益率の動向

営業利益は記載されていませんが、調整後営業利益は4,915億円(前年同期比13.9%減)です。

株主還元に関する情報

2023年度の配当金支払額は1,316億円で、Core EPSは197.83円です。配当性向は高いことから、株主還元を維持しつつ、将来的な成長に向けた投資も行うバランスが求められます。