【ファンダメンタル分析】セルソース【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

2023年度において、セルソース株式会社は売上高が増加したものの、営業利益と純利益が大幅に減少しました。これは、売上原価や販売費及び一般管理費の増加が影響していると考えられます。

2023年度の総括

セルソース株式会社は、2023年度において以下のような財務状況を示しました。

  1. 資産の増加: 資産合計は6,879,736千円で、前年度から743,318千円の増加を記録しました。特に流動資産が増加し、現金及び預金が4,781,022千円に達しました。
  2. 負債の安定: 負債は814,149千円で変わらず、流動負債のみで構成されています。これにより、企業の短期的な支払い能力は非常に高いと評価されます。
  3. 純資産の増加: 純資産は6,201,999千円で、879,730千円の増加を示し、企業の財務健全性が向上しています。
  4. 収益性の低下: 売上高は4,510,544千円(前年度比5.5%増)であったものの、営業利益は104,045千円(前年度比85.4%減)、純利益は939,515千円(前年度比23.0%減)と大幅に減少しました。

来年度以降の事業計画

セルソース株式会社は、以下のような事業計画を策定しています。

  1. コスト管理の強化: 営業利益と純利益の減少を受けて、コスト管理を強化し、売上原価や販売費の見直しを行うことが重要です。
  2. 成長セグメントの拡大: 加工受託サービスやコンサルティングサービスの成長をさらに促進し、提携医療機関数や加工受託件数の増加を目指します。
  3. 新規市場の開拓: 医療機器販売の成長が鈍化しているため、新たな市場開拓や製品ラインの拡充を検討する必要があります。
  4. 研究開発の推進: 再生医療関連事業における研究開発を継続し、新製品の開発や技術革新を図ります。

今後の動向予測

  1. 収益性の改善: コスト管理の強化と成長セグメントの拡大により、収益性の改善が期待されます。特に、加工受託サービスとコンサルティングサービスの成長が企業全体の収益を支えるでしょう。
  2. 安定した財務基盤: 高い流動比率(1,236.1%)と自己資本比率(89.4%)を維持することで、短期的な支払い能力と長期的な安定性が確保され、投資家からの信頼を得ることができるでしょう。
  3. 市場環境の変化への対応: 自然災害や気候変動、資材調達リスクなどの外部要因に対して、リスク管理体制を強化し、柔軟に対応することが求められます。

結論

セルソース株式会社は、2023年度において売上高の増加にもかかわらず、営業利益と純利益が減少するという課題に直面しています。今後はコスト管理や成長セグメントの拡大を通じて収益性の改善を図り、安定した財務基盤を維持しつつ、外部リスクへの対応を強化することが重要です。これにより、持続的な成長が期待されます。

1. 資産の構成

項目 金額(千円)
流動資産合計 4,781,022
現金及び預金 4,781,022
売掛金 364,279
商品及び製品 153,453
仕掛品 38,196
原材料及び貯蔵品 114,276
その他の流動資産 79,463
固定資産合計 1,290,555
有形固定資産 612,004
無形固定資産 19,809
投資その他の資産 658,740
資産合計 6,879,736

2. 負債の構成

項目 金額(千円)
流動負債合計 814,149
買掛金 109,692
リース債務 0
未払金 93,974
未払法人税 23,568
その他の流動負債 586,915
固定負債合計 0
負債合計 814,149

3. 純資産の構成

項目 金額(千円)
株主資本合計 6,201,999
資本金 599,226
資本剰余金 2,454,176
利益剰余金 3,740,933
自己株式 △1,696
評価・換算差額等 14,034
新株予約権 51,546
純資産合計 6,201,999

4. トレンドの比較

年度 資産合計(千円) 負債合計(千円) 純資産合計(千円)
前事業年度(2022年10月31日) 6,136,418 814,149 5,322,269
当事業年度(2023年10月31日) 6,879,736 814,149 6,201,999

5. トレンド分析

  • 資産の増加: 資産は前年度から743,318千円増加しました。これは主に流動資産の増加によるものです。
  • 負債の安定: 負債は変わらず814,149千円であり、流動負債のみで構成されています。
  • 純資産の増加: 純資産は879,730千円増加し、企業の財務健全性が向上しています。

6. 財務健全性の評価

これらの指標から、セルソース株式会社は非常に健全な財務状況にあると評価できます。流動比率自己資本比率が高いため、短期的な支払い能力や長期的な安定性が確保されています。

7. 売上高、営業利益、純利益のトレンド

年度 売上高(千円) 営業利益(千円) 純利益(千円)
2022年度 4,273,829 716,282 1,220,170
2023年度 4,510,544 104,045 939,515

8. 結論

2023年度は売上高が増加したものの、営業利益と純利益は大幅に減少しました。これは、売上原価や販売費及び一般管理費の増加が影響していると考えられます。今後のコスト管理や収益性の改善が求められる状況です。

9. 営業利益率と純利益率のトレンド

年度 営業利益率 純利益率
2022年度 16.8% 28.6%
2023年度 2.3% 20.8%

10. 結論

セルソース株式会社は、2023年度において営業利益率と純利益率が前年度に比べて減少しています。これは、コストの増加や事業拡大に伴う影響が要因と考えられます。今後の収益性の改善が期待されるため、引き続き業務の効率化やコストコトロールが重要です。