【ファンダメンタル分析】ガンホー【有価証券報告書】

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はじめに総括

特記事項

2023年度において、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は売上高が105,505百万円から125,315百万円に増加し、約18.8%の成長を遂げました。一方で、純利益は27,857百万円から23,758百万円に減少し、約14.7%の減少を示しています。このように、売上高は増加しているものの、純利益が減少している点が大きなトレンドとして挙げられます。

2023年度の総括

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、2023年度において安定した資産を維持しつつ、売上高が前年から大きく増加しました。総資産は140,192百万円で前年と同水準を維持し、流動比率は約38.5と高い水準を示しています。流動負債が増加したものの、流動資産が大きく上回っているため、短期的な支払い能力には問題がないと考えられます。

しかし、純利益が減少したことは懸念材料であり、特に営業利益の具体的な数値が不明なため、コスト管理や収益性の改善が今後の課題となります。営業活動によるキャッシュフローはプラスであり、顧客との契約から生じる収益が確保されていることから、事業活動は現金を生成していると評価できます。

来年度以降の事業計画

  1. 新規タイトルの開発: アジア市場の成長を背景に、新規ゲームタイトルの開発に注力する計画です。特に、アジア地域での市場拡大を目指し、現地のニーズに応じたコンテンツを提供することが重要です。
  2. コスト管理の強化: 純利益の減少を受けて、販売費及び一般管理費の見直しを行い、効率的な運営を目指します。特に、2023年度の販売費及び一般管理費が6,688百万円と前年から大幅に減少していることから、今後もこの傾向を維持することが求められます。
  3. 外市場への展開: 北米市場の売上が減少しているため、他の地域(特にアジア)での成長を促進し、リスクを分散させる戦略が必要です。特に、タイ市場の独立掲記による成長を活かすことが期待されます。
  4. 技術革新への対応: 技術革新が進む中で、新たなゲーム市場に適応するための研究開発を継続し、競争力を維持することが重要です。

今後の動向予測

  • 売上高の成長: アジア市場の成長を背景に、売上高は引き続き増加する可能性があります。特に、アジア地域での新規タイトルの投入が成功すれば、さらなる成長が期待されます。
  • 純利益の回復: コスト管理の強化と効率的な運営が実現すれば、純利益の回復が見込まれます。特に、販売費及び一般管理費の見直しが効果を発揮するでしょう。
  • 競争環境の変化: 新規参入企業の増加や市場競争の激化により、競争環境が厳しくなる可能性があります。これに対処するためには、独自の価値を提供し続けることが求められます。
  • リスク管理の強化: 特定のゲームへの依存や技術革新への対応など、リスク要因を認識し、適切な対策を講じることが企業の持続的な成長にとって重要です。

結論

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、2023年度において売上高の増加を達成したものの、純利益の減少が課題となっています。来年度以降は、新規タイトルの開発やコスト管理の強化を通じて、持続的な成長を目指すことが期待されます。市場環境の変化に柔軟に対応し、競争力を維持するための戦略が求められます。

財務状況のまとめ

資産

項目 金額(百万円)
現金及び預金 125,950
売掛金 12,983
有価証券及び投資有価証券 1,258
その他の資産 敷金及び保証金等
合計資産 140,192

負債

項目 金額(百万円)
短期金銭債務 5,510
その他の流動負債 未払法人税
長期借入金 603
合計負債 6,113

純資産

項目 金額(百万円)
1株当たり純資産額 2,127.98
合計純資産 134,079

過去との比較

年度 総資産(百万円) 合計負債(百万円) 合計純資産(百万円)
2022年度 140,192 6,048 134,144
2023年度 140,192 6,113 134,079

トレンド分析

  • 資産のトレンド: 2023年度の総資産は140,192百万円で、2022年度と同水準を維持しています。
  • 負債のトレンド: 2023年度の合計負債は6,113百万円で、2022年度の6,048百万円と比較して若干の増加が見られます。
  • 純資産のトレンド: 2023年度の純資産は134,079百万円で、2022年度の134,144百万円と比較してわずかに減少しています。

結論

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、2023年度においても安定した資産を維持していますが、負債が若干増加し、純資産がわずかに減少していることが見受けられます。全体的には、財務健全性は高い水準にあり、特に流動資産が流動負債を大きく上回っているため、短期的な支払い能力には問題がないと考えられます。

流動比率自己資本比率及びトレンド分析

1. 流動比率の計算

流動比率は、流動資産を流動負債で割った比率で、企業の短期的な支払い能力を示します。

  • 流動資産: 153,411百万円
  • 流動負債: 3,988百万円

流動比率 = 流動資産 / 流動負債 = 153,411 / 3,988 ≈ 38.5

2. 自己資本比率の計算

自己資本比率は、自己資本を総資本で割った比率で、企業の財務的安定性を示します。

  • 自己資本: 134,079百万円
  • 総資本: 140,192百万円

自己資本比率 = 自己資本 / 総資本 = 134,079 / 140,192 ≈ 95.7%

3. 過去との比較トレンド

4. 結論

  • 流動比率は約38.5であり、短期的な支払い能力は高いとは言えません。
  • 自己資本比率は約95.7%であり、財務的安定性は高いと評価されます。

売上高、営業利益、純利益の推移

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 純利益(百万円)
2022年度 105,505 不明 27,857
2023年度 125,315 不明 23,758

営業利益率と純利益率の計算

1. 営業利益率の計算

営業利益率は、営業利益を売上高で割ったものです。

2023年度の営業利益は不明のため、計算不可。

2. 純利益率の計算

純利益率は、当期純利益を売上高で割ったものです。

  • 2023年度: 純利益率 = (23,758 / 125,315) × 100 ≈ 18.9%
  • 2022年度: 純利益率 = (27,857 / 105,505) × 100 ≈ 26.4%

3. トレンドの比較

  • 純利益率は2022年から2023年にかけて減少しています(26.4% → 18.9%)。

4. 結論

営業利益の具体的な数値が不明なため、営業利益率のトレンドを示すことができませんが、純利益率は減少しています。

営業活動によるキャッシュフローの確認

営業活動によるキャッシュフローはプラスであると考えられます。特に、契約負債が存在することは、将来的に収益が見込まれることを示唆しています。

事業セグメントの収益状況

年度 日本(百万円) アジア(百万円) 台湾(百万円) 北米(百万円) その他の地域(百万円) 合計(百万円)
2022年度 55,136 25,249 18,537 5,001 1,579 105,505
2023年度 45,001 41,039 19,449 3,762 1,310 125,315

セグメントの成長性とリスク

  • 日本: 売上高は減少。
  • アジア: 売上高は増加。
  • 台湾: 売上高は増加。
  • タイ: 新たに独立掲記され、売上高を記録。
  • 北米: 売上高は減少。

結論

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、アジア市場の成長を背景に全体の売上を増加させていますが、日本市場の減少がリスク要因となっています。今後の成長戦略として、アジア市場のさらなる拡大と日本市場の再活性化が求められるでしょう。