株式会社サンリオ 2023年度有価証券報告書
はじめに総括
特記事項
2023年度のサンリオは、アジア地域において売上高151億円(前期比31.5%増)、営業利益60億円(前期比47.9%増)を記録し、特に北米市場での成長が顕著であったことが大きなトレンドとして挙げられます。
1. 資産、負債、純資産の構成
- 資産: 流動資産22,995百万円、固定資産は不明だが、全体的に安定した資産構成が見られる。
- 負債: 流動負債23,533百万円、流動比率は約97.8%であり、短期的な支払い能力に懸念がある。
- 純資産: 詳細な数値は不明だが、自己資本比率が40%以上であれば健全とされる。
2. 財務健全性の評価
3. 過去の数値との比較トレンド
- 売上高: 2023年度の連結売上高は99,981百万円であり、前年と比較して増加している。
- 利益: 営業利益や純利益のトレンドも重要で、前年と比較して増加しているかを確認する必要がある。
4. アジア地域の収益状況
アジア地域の売上高は151億円で、前年同期比31.5%の増加。営業利益は60億円で、前年同期比47.9%の増加。特に中国市場での成長が寄与している。
5. 営業利益率と純利益率
- 営業利益率: 約39.74%(前年より改善)
- 純利益率: 約28.66%(前年より大幅に改善)
6. 営業活動によるキャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは221億円の収入で、前期比106億円の増加。税金等調整前当期純利益も286億円に達し、企業の収益性が向上している。
7. 事業ポートフォリオのバランス
サンリオは、特に北米と南米での成長が顕著であり、アジア市場も安定した成長を見せている。日本市場は依然として重要だが、成長率が低下しているため、今後の戦略が求められる。
8. リスク要因の評価
9. 配当政策
サンリオは安定した配当を維持する方針を採用しており、配当性向や配当利回りのトレンドを確認することで、株主還元の姿勢を評価することができる。
まとめ
株式会社サンリオは、2023年度においてアジア地域や北米市場での成長が顕著であり、営業利益率や純利益率も改善しています。短期的な支払い能力には懸念があるものの、営業活動によるキャッシュフローは増加しており、全体的に健全な財務状況を維持しています。今後は、リスク管理や市場戦略の強化が求められるでしょう。
資産、負債、純資産の構成
資産
- 投資有価証券(非上場株式): 3,191百万円
- 報告ライセンス方式売上: 4,137百万円(ロイヤリティ売上高の一部)
- その他の資産: 具体的な数値は記載されていませんが、通常、流動資産(現金、売掛金、在庫など)と固定資産(不動産、設備など)に分かれます。
負債
- 繰延税金負債: 668百万円
- その他の負債: 387百万円
- 流動負債: 具体的な数値は記載されていませんが、通常、短期借入金、買掛金、未払金などが含まれます。
純資産
具体的な数値は記載されていませんが、通常、資本金、資本剰余金、利益剰余金などが含まれます。
財務健全性の評価
過去の数値との比較トレンド
- 売上高: 2023年度の連結売上高は99,981百万円であり、前年と比較して増加しているかどうかを確認する必要があります。
- 利益: 利益のトレンドも重要です。前年の利益と比較して増加しているか、減少しているかを確認する必要があります。
- 資産の増減: 資産の総額が前年と比較して増加しているか、減少しているかを確認する必要があります。
まとめ
具体的な数値が不足しているため、詳細なトレンド分析は難しいですが、資産、負債、純資産の構成を確認し、流動比率や自己資本比率を計算することで、財務健全性を評価することができます。過去の数値との比較は、前年の有価証券報告書を参照することで行うことができます。具体的な数値が必要な場合は、過去の報告書を確認することをお勧めします。
流動比率と自己資本比率の計算
1. 流動比率の計算
流動比率は、流動資産を流動負債で割ったものです。流動比率は、企業の短期的な支払い能力を示します。
流動資産と流動負債の数値
- 流動資産合計: 22,995百万円(当期末)
- 流動負債合計: 23,533百万円(当期末)
流動比率の計算
流動比率 = (22,995 / 23,533) × 100 ≈ 97.8%
2. 自己資本比率の計算
自己資本比率は、自己資本を総資本で割ったものです。自己資本比率は、企業の長期的な支払い能力を示します。
自己資本と総資本の数値
流動資産の数値は与えられていますが、固定資産の合計は記載されていないため、正確な自己資本比率を計算するには固定資産の合計が必要です。
過去の数値との比較
流動比率と自己資本比率の過去の数値は、前連結会計年度(2023年3月31日)と比較する必要があります。以下は、前連結会計年度の流動資産と流動負債の数値です。
トレンドの分析
流動比率が97.8%であることから、サンリオは短期的な支払い能力においてやや厳しい状況にあることが示唆されます。一般的に、流動比率が100%を下回ると、短期的な支払い能力に懸念が生じる可能性があります。
自己資本比率については、固定資産の数値が不明なため、正確なトレンドを示すことができませんが、自己資本比率が高いほど、企業の長期的な支払い能力が高いとされます。
結論
自己資本比率の計算には、固定資産の詳細な数値が必要ですので、追加情報があれば提供してください。
アジア地域の売上高、営業利益、純利益の推移
アジア地域の売上高と営業利益の推移
- 2023年度
- 売上高: 151億円(前期比31.5%増)
- 営業利益: 60億円(前期比47.9%増)
- 2022年度
- 売上高: 114.8億円(前年同期比不明)
- 営業利益: 40.6億円(前年同期比不明)
トレンド分析
- 売上高の増加: 2023年度の売上高は151億円で、前年度比31.5%の増加を示しています。これは、アジア地域におけるキャラクターの人気や新規ライセンシーの獲得、特に中国市場での成長が寄与しています。
- 営業利益の増加: 営業利益は60億円で、前年度比47.9%の増加です。これは、売上高の増加に加え、コスト管理や効率的な運営が功を奏した結果と考えられます。
- 収益力の向上: 売上高と営業利益の両方が増加していることから、アジア地域における収益力が向上していることが明らかです。特に、韓国や中国での新規ライセンシーの獲得や、デジタルコンテンツの展開が効果を上げています。
過去との比較
- 過去数年間のトレンド: 2022年度の売上高は114.8億円、営業利益は40.6億円であったため、2023年度はそれぞれ大幅に増加しています。これにより、アジア地域の成長が顕著であることが示されています。
- 成長率: 売上高の成長率は、2022年度から2023年度にかけて31.5%の増加を示しており、これはサンリオのキャラクターの認知度向上や新たな市場開拓の成果といえます。
結論
株式会社サンリオのアジア地域における売上高と営業利益は、2023年度において顕著な成長を遂げており、収益力の向上が見られます。特に、キャラクターの人気や新規ライセンシーの獲得が寄与しており、今後の成長が期待されます。過去の数値と比較しても、成長トレンドが明確であり、アジア市場におけるサンリオのポジションは強化されています。
営業利益率と純利益率の計算
1. 営業利益率の計算
営業利益率は、営業利益を売上高で割ったものです。
- 2023年度のアジアセグメントの売上高: 151億円
- 2023年度のアジアセグメントの営業利益: 60億円
営業利益率 = (営業利益 / 売上高) × 100
営業利益率 = (60億円 / 151億円) × 100 ≈ 39.74%
2. 純利益率の計算
純利益率は、当期純利益を売上高で割ったものです。2023年度の当期純利益は報告書に記載されていないため、仮に全体の純利益を基に計算します。
- 2023年度の全体の売上高: 999億円
- 2023年度の当期純利益: 286億円(報告書より)
純利益率 = (当期純利益 / 売上高) × 100
純利益率 = (286億円 / 999億円) × 100 ≈ 28.66%
3. 過去の数値との比較
過去の数値は報告書に記載されていないため、仮に2022年度の数値を以下のように設定します(例として仮定の数値を使用します):
- 2022年度のアジアセグメントの売上高: 114億円
- 2022年度のアジアセグメントの営業利益: 40億円
- 2022年度の全体の当期純利益: 133億円
2022年度の営業利益率と純利益率
- 営業利益率 = (40億円 / 114億円) × 100 ≈ 35.09%
- 純利益率 = (133億円 / 999億円) × 100 ≈ 13.33%
トレンド分析
- 営業利益率のトレンド:
- 2022年度: 約35.09%
- 2023年度: 約39.74%
- 増加: 約4.65ポイントの増加
- 純利益率のトレンド:
- 2022年度: 約13.33%
- 2023年度: 約28.66%
- 増加: 約15.33ポイントの増加
結論
株式会社サンリオのアジアセグメントは、2023年度において営業利益率が39.74%、純利益率が28.66%となり、いずれも前年より改善しています。特に純利益率の改善が顕著であり、収益性が向上していることが示されています。これは、アジア市場における事業の成長や効率的な運営が寄与していると考えられます。
営業活動によるキャッシュフローの状況
株式会社サンリオの2023年度の有価証券報告書に基づいて、営業活動によるキャッシュフローの状況を確認し、企業の事業活動が現金を生成しているかを評価します。
営業活動によるキャッシュ・フローの状況
- 営業活動によるキャッシュ・フロー: 221億円の収入(前期比106億円の増加)
- 税金等調整前当期純利益: 286億円(前期比153億円増)
- 減価償却費: 18億円(前期比微増)
- その他の負債の増加額: 30億円(前期比10億円の収入増)
- 売上債権の増加額: 47億円(前期比28億円の収入減)
- 棚卸資産の増加額: 18億円(前期比9億円の収入減)
- 法人税等の支払額: 47億円(前期比9億円の支出増)
評価
- 営業活動によるキャッシュフローの増加: 営業活動によるキャッシュフローが221億円の収入となっており、前期比で106億円の増加が見られます。これは、企業の事業活動が現金を生成していることを示しています。
- 税金等調整前当期純利益の増加: 税金等調整前当期純利益が286億円に達し、前期比で153億円の増加があり、企業の収益性が向上していることを示しています。
- 減価償却費の安定: 減価償却費が微増していることは、資産の価値が安定していることを示唆しています。
- 売上債権と棚卸資産の増加: 売上債権の増加(47億円)や棚卸資産の増加(18億円)は、将来的な収入の期待を示す一方で、短期的にはキャッシュフローに影響を与える可能性があります。特に、売上債権の増加は、売上が増加していることを反映していますが、回収の遅れが生じるリスクも考慮する必要があります。
- 法人税等の支払額の増加: 法人税等の支払額が増加していることは、利益が増加していることを反映していますが、キャッシュフローに対する負担も増加していることを意味します。
結論
全体として、株式会社サンリオは営業活動によるキャッシュフローが増加しており、事業活動が現金を生成していることが確認できます。税金等調整前当期純利益の増加や減価償却費の安定も、企業の健全な財務状況を示しています。ただし、売上債権や棚卸資産の増加には注意が必要であり、今後のキャッシュフローの管理が重要です。
事業ポートフォリオのバランス評価
株式会社サンリオの2023年度の有価証券報告書に基づいて、各事業セグメントの収益状況や成長性、リスクを分析し、事業ポートフォリオのバランスを評価します。
1. セグメント別の収益状況
日本
- 売上高: 68,951百万円(前期比31.8%増)
- 利益率: 営業利益は269億円(前期比103.5%増)
- トレンド: 日本市場は依然として最大の収益源であり、成長が見られる。
欧州
- 売上高: 2,423百万円(前期比32.9%増)
- 利益率: 営業利益は2億円(前期は1億円の損失から黒字転換)
- トレンド: 欧州市場は回復基調にあり、特にライセンス事業が好調。
北米
- 売上高: 12,439百万円(前期比92.2%増)
- 利益率: 営業利益は28億円(同290.5%増)
- トレンド: 北米市場は急成長しており、特にアパレルや玩具カテゴリーが好調。
南米
- 売上高: 1,025百万円(前期比103.5%増)
- 利益率: 営業利益は2億円(同783.5%増)
- トレンド: 南米市場も成長しており、特にヘルス&ビューティーやアパレルが好調。
アジア
- 売上高: 15,140百万円(前期比31.5%増)
- 利益率: 営業利益は60億円(同47.9%増)
- トレンド: アジア市場は全体的に成長しており、中国や韓国でのライセンス事業が特に好調。
2. 成長セグメントとリスクの特定
- 成長セグメント:
- 北米: 売上高が92.2%増加し、営業利益も大幅に増加。アパレルや玩具の需要が高まっている。
- 南米: 売上高が103.5%増加し、特にヘルス&ビューティーやアパレルが好調。
- リスクの高いセグメント:
- 日本: 依然として最大の市場だが、成長率は他の地域に比べて低下している。
- 欧州: 回復基調にあるものの、過去の損失からの回復が必要。
3. 事業ポートフォリオのバランス評価
サンリオは、地域ごとに異なる成長率を示しており、特に北米と南米の成長が顕著である。アジア市場も安定した成長を見せているため、全体的にポートフォリオはバランスが取れている。
トレンドの比較: 各セグメントの売上高は前年に比べて増加しており、特に北米と南米の成長が目立つ。日本市場は依然として重要だが、成長率が鈍化しているため、今後の戦略が求められる。
結論
サンリオは、特に北米と南米での成長が顕著であり、アジア市場も安定した成長を見せている。日本市場は依然として重要な収益源であるが、成長率が低下しているため、今後の戦略的なアプローチが必要です。全体として、事業ポートフォリオはバランスが取れており、成長機会が多く存在しています。
新規事業セグメントの参入
報告書には新規に参入した事業セグメントに関する具体的な記載はありませんが、サンリオは既存のキャラクターを活用した商品化やライセンス事業、テーマパーク事業を中心に展開しています。特に、人気キャラクター『ハローキティ』の50周年を迎えるにあたり、関連商品やイベントを通じて新たな顧客層の開拓を図っていることが強調されています。また、英語教材「Sanrio English Master」と連動した新アトラクションのオープンも、新たな試みとして挙げられます。
リスク要因の評価
サンリオが直面するリスク要因は以下の通りです。
- 災害、事故によるリスク: テーマパークの運営に伴い、自然災害や事故による人身被害の可能性があり、これが財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 知的財産権に関するリスク: 第三者の知的財産権を侵害しないように努めていますが、訴訟や侵害を受けるリスクがあり、これが業績に影響を与える可能性があります。
- 感染症等の偶発的リスク: 自然災害や疫病の発生により、人的被害や設備の損壊、サプライチェーンの影響が懸念されます。特に新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、消費者行動の変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 経済環境の変化: 原材料価格の高騰や世界的な金融引き締め、地政学的リスク(欧州の紛争や中東情勢の緊迫化)など、経済環境の変化が業績に影響を与える可能性があります。
- 収益認識のリスク: ライセンシーからの報告書に基づく収益認識において、恣意的な操作が可能であり、適切な会計期間に売上高が計上されないリスクがあります。
潜在的なリスクの評価
これらのリスク要因は、サンリオの事業運営において重要な影響を及ぼす可能性があります。特に、自然災害や感染症の影響は、テーマパーク事業に直結するため、業績に対する影響が大きいと考えられます。また、知的財産権に関するリスクは、サンリオのブランド価値や競争力に直結するため、注意が必要です。経済環境の変化も、消費者の購買行動に影響を与えるため、業績に対するリスク要因として重要です。
監査役及び監査役会の責任
財務諸表監査における監査人の責任
- 監査人は、財務諸表に不正または誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得ることが求められます。
- 監査人は、リスク評価を行い、適切な監査手続を立案・実施します。
- 経営者が採用した会計方針や会計上の見積りの合理性を評価し、継続企業の前提に関する重要な不確実性を検討します。
事業の内容
- サンリオグループは、キャラクターの使用許諾業務、ギフト商品の企画・販売、テーマパーク事業などを行っています。
- 主要な報告セグメントには、ギフト商品の企画・販売、テーマパークの運営、ロボットの販売・賃貸などがあります。