【ファンダメンタル分析】円谷フィールズH【有価証券報告書】

円谷フィールズホールディングス株式会社の有価証券報告書はこちら

はじめに総括

特記事項

円谷フィールズホールディングス株式会社は、2023年度において総資産が約21.4%増加し、特に有形固定資産と投資その他の資産の増加が顕著であったことが大きなトレンドとして挙げられます。また、当期純利益が40.5%増加したことも注目すべき点です。

2023年度の総括

2023年度の円谷フィールズホールディングスは、売上高141,923百万円(前年度比21.2%増)、営業利益11,827百万円(同8.0%増)、経常利益12,947百万円(同15.4%増)、当期純利益11,551百万円(同40.5%増)を達成しました。これにより、企業の成長が続いていることが確認されました。特に、コンテンツ&デジタル事業の成長が寄与しており、ウルトラマンなどのキャラクターの人気が高まっています。

財務状態においては、総資産が98,139百万円に達し、流動資産と有形固定資産の増加が顕著です。負債も増加していますが、純資産は55,845百万円に達し、33.5%の増加を示しています。これにより、企業の財務健全性が向上していることが示されています。

来年度以降の事業計画

円谷フィールズホールディングスは、以下のような事業計画を策定しています。

  1. コンテンツ&デジタル事業の強化:
    • ウルトラマン」などのIPを活用した新たなコンテンツの開発や、デジタルプラットフォームでの展開を進める。
    • 外市場、特にアジア市場での展開を強化し、ライセンス収入を増加させる。
  2. MD/ライセンス事業の多様化:
    • 玩具やアパレルなどの新商品カテゴリを追加し、収益基盤を強化する。
    • トレーディングカードなどの新たな商品展開を計画し、グローバル市場でのシェアを拡大する。
  3. サステナビリティの推進:
    • 環境への配慮を強化し、TCFDフレームワークに基づく気候変動リスクの評価を行う。
    • 社員のスキル向上や多様性の推進を図り、人的資本の最大化を目指す。

今後の動向予測

円谷フィールズホールディングスは、コンテンツ&デジタル事業の成長を背景に、今後も安定した成長が期待されます。特に、海外市場での展開や新商品開発が成功すれば、さらなる売上増加が見込まれます。また、サステナビリティへの取り組みが企業のブランド価値を高め、長期的な成長に寄与するでしょう。

一方で、知的財産権の保護や海外展開におけるリスク管理が重要な課題となります。これらのリスクに対する適切な対策を講じることで、持続可能な成長を実現することが期待されます。

結論

円谷フィールズホールディングスは、2023年度において顕著な成長を遂げ、来年度以降も成長戦略を明確にし、サステナビリティや人的資本の最大化に取り組むことで、持続可能な企業価値の向上を目指しています。市場環境やリスク管理の状況を考慮すると、今後の業績は堅調に推移する可能性が高いと考えられます。

財政状態の状況

資産の部

項目 2023年3月31日 2024年3月31日 増加額 増加率
流動資産 58,869百万円 64,848百万円 5,979百万円 約10.1%増
有形固定資産 5,295百万円 9,440百万円 4,145百万円 約78.3%増
無形固定資産 2,887百万円 2,402百万円 -485百万円 約16.8%減
投資その他の資産 13,841百万円 21,447百万円 7,606百万円 約54.9%増
総資産 80,892百万円 98,139百万円 17,246百万円 約21.4%増

負債の部

項目 2023年3月31日 2024年3月31日 増加額 増加率
流動負債 30,490百万円 30,610百万円 120百万円 約0.4%増
固定負債 8,585百万円 11,682百万円 3,097百万円 約36.1%増
総負債 39,075百万円 42,293百万円 3,218百万円 約8.2%増

純資産の部

項目 2023年3月31日 2024年3月31日 増加額 増加率
純資産 41,817百万円 55,845百万円 14,028百万円 約33.5%増

トレンドのまとめ

  • 資産は前年に比べて大幅に増加しており、特に有形固定資産と投資その他の資産の増加が顕著です。
  • 負債も増加していますが、流動負債の増加はわずかで、固定負債の増加が主な要因です。
  • 純資産は大きく増加しており、企業の財務健全性が向上していることを示しています。

流動比率自己資本比率の計算

流動比率の計算

流動比率は、流動資産を流動負債で割った比率で、短期的な支払い能力を示します。

流動比率 = 流動資産 / 流動負債 × 100

自己資本比率の計算

自己資本比率は、自己資本を総資本で割った比率で、長期的な支払い能力を示します。

自己資本比率 = 自己資本 / 総資本 × 100

売上高、営業利益、純利益の推移

項目 2023年度 前年度比
売上高 141,923百万円 21.2%増
営業利益 11,827百万円 8.0%増
経常利益 12,947百万円 15.4%増
当期純利益 11,551百万円 40.5%増

営業利益率と純利益率の計算

営業利益率と純利益率の計算式は以下の通りです。

  • 営業利益率 = (営業利益 / 売上高) × 100
  • 純利益率 = (純利益 / 売上高) × 100

営業活動によるキャッシュフローの確認

営業活動によるキャッシュフローは、企業の本業から得られる現金の流入と流出を示します。これには、売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業関連の収入や支出が含まれます。

事業セグメントの収益状況

コンテンツ&デジタル事業セグメント

売上高は増加傾向にあり、特に「ウルトラマン」などのキャラクターが世代を超えて人気を持つことから、ライセンス収入や商品コラボレーションが増加しています。

MD/ライセンス事業

玩具やアパレルなどの多様な商品カテゴリーポートフォリオの拡充により、特定商品の動向に左右されにくい収益基盤が構築されています。

新規事業セグメントの参入とリスク要因

新規事業セグメントの参入

報告書には新規事業セグメントの具体的な参入についての記載はありませんが、コンテンツ&デジタル事業セグメントにおいて、特に「ウルトラマン」などのIPを活用したグローバル展開や、カードゲームのグローバル展開に向けた準備が進められていることが示されています。

リスク要因の評価

  • コンプライアンスおよび法令違反: 法律や規制の遵守が求められ、違反があった場合には社会的信用やブランドイメージの損失、損害賠償のリスクがある。
  • 情報セキュリティ: サイバー攻撃や情報漏洩による信用力の低下や損害賠償のリスクが存在。
  • 投資リスク: 合弁事業やM&Aにおいて、戦略的な目的が達成できないリスクがある。
  • 災害リスク: 自然災害や感染症の影響で事業活動が停止するリスクがある。
  • 遊技機業界の法的規制: 法的規制の変更が業績に影響を与える可能性がある。
  • 海外展開におけるリスク: 地政学リスクや文化的な違い、知的財産権の侵害リスクが存在。

業績予測や中期計画

業績予測

2023年度の業績は、売上高141,923百万円(前期比21.2%増)、営業利益11,827百万円(同8.0%増)、経常利益12,947百万円(同15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,551百万円(同40.5%増)と報告されています。

中期経営計画

配当政策

円谷フィールズホールディングスは、企業価値の向上を重視し、利益に応じた適正な配当を行うことを基本方針としています。

配当実績

2023年度の配当は1株あたり40円とされ、配当金の総額は2,617百万円です。

配当性向

配当性向は通常、配当金総額を当期純利益で割った値で計算されますが、純損失の場合は計算できません。

将来の配当予想

次期の配当予想も1株あたり40円とされています。

配当利回り

配当利回りは、1株あたりの配当金を株価で割った値で計算されます。具体的な株価は記載されていないため、配当利回りを算出するには最新の株価情報が必要です。

過去との比較トレンド

過去の配当金額や配当性向の具体的な数値は記載されていませんが、配当金の増配が行われたことから、企業の収益状況や株主還元の姿勢が改善している可能性があります。