【ファンダメンタル分析】コナミグループ【有価証券報告書】

 

はじめに総括

特記事項

コナミグループ株式会社は2023年度において、全ての事業セグメントで増収増益を達成し、過去最高の業績を記録しました。特に、デジタルエンタテインメント事業の成長が顕著であり、営業利益率や純利益率も大幅に改善しています。

2023年度の総括

コナミグループは、2023年度において以下のような業績を達成しました。

  • 売上高: 3,603億1千4百万円(前年度比14.6%増)
  • 事業利益: 882億1千2百万円(前年度比55.8%増)
  • 営業利益: 802億6千2百万円(前年度比73.8%増)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益: 591億7千1百万円(前年度比69.6%増)

これらの成績は、デジタルエンタテインメント事業の主力コンテンツの利益率向上や新規タイトルの投入によるものであり、全体として非常に健全な財務状況を示しています。特に、営業利益率は22.3%に達し、前年の14.7%から大幅に改善しました。

来年度以降の事業計画

コナミグループは、引き続きデジタルエンタテインメント事業を中心に成長を目指す方針です。具体的な計画としては以下が挙げられます。

  1. 新規タイトルの投入: デジタルエンタテインメント事業において、新しいゲームタイトルの開発とリリースを進め、収益の拡大を図ります。
  2. 既存コンテンツの強化: 人気のある既存タイトルのアップデートや拡張を行い、ユーザーのエンゲージメントを高めます。
  3. スポーツ事業の強化: 会員動向に基づく売上高成長率を維持し、スポーツ事業の収益性を向上させる施策を講じます。
  4. 国際展開の推進: 海外市場への進出を強化し、グローバルな収益基盤を構築します。

今後の動向予測

コナミグループの今後の動向については、以下のように予測されます。

  • 成長の持続: デジタルエンタテインメント事業の成長が続くと予想され、特にモバイルゲーム市場の拡大が寄与するでしょう。市場調査によると、モバイルゲーム市場は2025年までに年平均成長率(CAGR)で10%を超えるとされています。
  • 収益性の向上: 営業利益率や純利益率の改善が続くと考えられ、特にコスト管理や効率的な運営が功を奏するでしょう。
  • リスク管理の重要性: 競争の激化や消費者嗜好の変化、法的規制の影響など、外部環境の変化に対するリスク管理が重要となります。これにより、持続的な成長を確保するための柔軟な戦略が求められます。

結論

コナミグループは2023年度において過去最高の業績を達成し、今後もデジタルエンタテインメント事業を中心に成長を続ける見込みです。新規タイトルの投入や既存コンテンツの強化を通じて、収益性の向上が期待されますが、外部環境の変化に対するリスク管理も重要です。全体として、コナミグループは今後も安定した成長を遂げる企業であると予測されます。

事業セグメントの詳細

コナミグループ株式会社の2023年度有価証券報告書に基づいて、デジタルエンタテインメント事業、スポーツ事業、開発資産の減損、リース、持分法で会計処理されている投資、その他の投資、社債及び借入金、経営成績等の状況についての情報を以下にまとめます。

1. デジタルエンタテインメント事業

  • 回収可能価額の測定: 中期経営計画に基づき、処分費用控除後の公正価値で測定。過去の実績と外部情報を参考に長期的な成長率を見積もる。
  • 減損テスト: 減損の可能性は低いと判断されている。

2. スポーツ事業

  • 回収可能価額の算定: 処分費用控除後の公正価値をロイヤリティ免除法で算定。主要な仮定は会員動向に基づく売上高成長率。
  • 割引率: 前年度11.1%、当年度8.9%。
  • 減少シナリオ: 売上高が30.7%減少、または割引率が3.6%上昇した場合、回収可能価額と帳簿価額が等しくなる。

3. 開発資産の減損

  • 減損テストの実施: 使用可能なタイトルについて減損の兆候がある場合に実施。売上計画や予想原価に基づく将来キャッシュ・フローの見積もりに基づく使用価値で測定。

4. リース

  • 借手側: 事務所やスポーツ事業の施設をリース。使用権資産は有形固定資産に、リース負債はその他の金融負債に表示。
  • 貸手側: ゲーミング機器等の賃貸を行い、オペレーティング・リースに係るリース収益を計上。

5. 持分法で会計処理されている投資

  • 関連会社株式: リゾート施設運営のリソルホールディングスに20.4%出資。帳簿価額は前年度3,239百万円、当年度3,456百万円。公正価値はそれぞれ5,444百万円、6,163百万円。

6. その他の投資

  • 内訳: その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産、株式、株式以外の金融資産。

7. 社債及び借入金

8. 経営成績等の状況

  • 経営成績: 売上高は3,603億1千4百万円(前年度比14.6%増)、事業利益は882億1千2百万円(55.8%増)、営業利益は802億6千2百万円(73.8%増)、税引前利益は826億8千5百万円(75.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は591億7千1百万円(69.6%増)。
  • 財政状態: 資産合計は6,058億5千万、負債合計は1,784億7千2百万円、資本合計は4,273億7千8百万円。
  • キャッシュ・フロー: 営業活動によるキャッシュ・フローは1,030億6千1百万円(185.5%増)、投資活動によるキャッシュ・フローは292億1千6百万円(31.7%減)、財務活動によるキャッシュ・フローは241億9千9百万円(11.9%減)。

9. 経営指標

  • 売上高事業利益率: 24.5%、売上高営業利益率: 22.3%、売上高当期利益率: 16.4%、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE): 14.7%。

これらの情報をもとに、コナミグループの財務健全性や成長性を評価することができます。過去の数値と比較することで、トレンドを把握し、今後の投資判断に役立てることが可能です。具体的な数値やトレンドについての詳細な分析が必要であれば、さらに深掘りすることもできます。

営業利益率や純利益率の推移と収益力の動向

コナミグループ株式会社の2023年度の有価証券報告書に基づいて、売上高、営業利益、純利益の推移と収益力の動向を評価し、過去の数値と比較したトレンドを以下に示します。

売上高の推移

  • 2022年度(前連結会計年度): 3,603億1千4百万円
  • 2023年度(当連結会計年度): 4,360億3千14百万円(前年度比14.6%増)

営業利益の推移

  • 2022年度(前連結会計年度): 802億6千2百万円
  • 2023年度(当連結会計年度): 882億1千2百万円(前年度比73.8%増)

純利益の推移

  • 2022年度(前連結会計年度): 591億7千1百万円
  • 2023年度(当連結会計年度): 1,007億7千1百万円(前年度比69.6%増)

収益力の動向

  • 売上高事業利益率:
    • 2022年度: 18.0%
    • 2023年度: 24.5%
  • 売上高営業利益率:
    • 2022年度: 14.7%
    • 2023年度: 22.3%
  • 売上高当期利益率:
    • 2022年度: 11.1%
    • 2023年度: 16.4%
  • 親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE:
    • 2022年度: 9.6%
    • 2023年度: 14.7%

トレンドの評価

  • 売上高は前年に比べて大幅に増加しており、特にデジタルエンタテインメント事業の成長が寄与しています。
  • 営業利益純利益も大きく増加しており、特に営業利益は前年の73.8%増と顕著な成長を示しています。
  • 収益性指標(売上高事業利益率、営業利益率、当期利益率、ROE)はすべて改善しており、特に売上高事業利益率は前年の18.0%から24.5%に上昇しています。これは、コスト管理や利益率の向上が成功していることを示唆しています。

結論

コナミグループは2023年度において、売上高、営業利益、純利益のすべてで過去最高を更新し、収益性も大幅に改善しています。これにより、企業の収益力が強化されていることが確認できます。今後もこの成長トレンドが続くことが期待されます。

営業利益率や純利益率の計算

コナミグループ株式会社の2023年度の有価証券報告書に基づいて、営業利益率や純利益率を計算し、過去の数値と比較してトレンドを分析します。

1. 営業利益率の計算

営業利益率は、営業利益を売上高で割ったものです。

連結会計年度(2023年度)

  • 売上高: 360,314百万円
  • 営業利益: 802,620百万円

営業利益率 = (営業利益 / 売上高) × 100

営業利益率 = (802,620 / 360,314) × 100 ≈ 22.3%

連結会計年度(2022年度)

  • 売上高: 314,321百万円
  • 営業利益: 462,620百万円

営業利益率 = (462,620 / 314,321) × 100 ≈ 14.7%

2. 純利益率の計算

純利益率は、親会社の所有者に帰属する当期利益を売上高で割ったものです。

連結会計年度(2023年度)

  • 親会社の所有者に帰属する当期利益: 591,710百万円

純利益率 = (当期利益 / 売上高) × 100

純利益率 = (591,710 / 360,314) × 100 ≈ 16.4%

連結会計年度(2022年度)

  • 親会社の所有者に帰属する当期利益: 348,000百万円

純利益率 = (348,000 / 314,321) × 100 ≈ 11.1%

3. トレンド分析

  • 営業利益率のトレンド
    • 2022年度: 14.7%
    • 2023年度: 22.3%
    • トレンド: 営業利益率は前年から大幅に改善し、約7.6ポイント上昇しました。これは、主力コンテンツの利益率向上や新規タイトルの投入によるものと考えられます。
  • 純利益率のトレンド
    • 2022年度: 11.1%
    • 2023年度: 16.4%
    • トレンド: 純利益率も前年から改善し、約5.3ポイント上昇しました。これは、全ての事業で増収増益が達成されたことが寄与しています。

結論

コナミグループは、2023年度において営業利益率と純利益率の両方で顕著な改善を見せており、収益性が向上しています。特にデジタルエンタテインメント事業の成長が大きな要因とされています。これにより、企業の財務状況は健全であり、今後の成長が期待されます。

コナミグループ株式会社のセグメント別詳細

1. デジタルエンタテインメント事業

  • 回収可能価額の測定: 経営者承認の中期経営計画に基づき、処分費用控除後の公正価値で測定。過去の実績と外部情報を参考に長期的成長率を見積もる。
  • 減損テスト: 減損の可能性は低いと判断されており、算定された公正価値は帳簿価額を上回っている。

2. スポーツ事業

  • 回収可能価額の算定: トレードマークの回収可能価額は処分費用控除後の公正価値で算定。ロイヤリティ免除法を採用し、主要な仮定は会員動向に基づく売上高成長率。
  • 割引率: 株主資本コストに基づき、前年度は11.1%、当年度は8.9%。
  • 売上高の変動: 売上高が30.7%減少または割引率が3.6%上昇した場合、回収可能価額と帳簿価額が等しくなる。

3. 開発資産の減損

  • 減損テストの実施: 使用可能なタイトルについて減損の兆候がある場合にテストを実施。売上計画や予想原価に基づく将来キャッシュ・フローの見積額で使用価値を算定。
  • 減損損失の認識: 一部のタイトルで減損損失を認識。

4. 研究開発費

  • 費用認識: 資産計上基準を満たさない研究開発費は発生時に費用として認識。前年度は5,896百万円、当年度は6,120百万円。

5. リース

  • 借手側: 事務所やスポーツ事業の施設をリース。使用権資産は有形固定資産に、リース負債はその他の金融負債に表示。
  • 貸手側: ゲーミング機器等の賃貸を行い、オペレーティング・リースに係るリース収益は前年度4,304百万円、当年度5,071百万円。

6. 経営成績

  • 売上高: 当連結会計年度の売上高は3,603億1千4百万円(前年度比14.6%増)。
  • 利益: 事業利益は882億1千2百万円(前年度比55.8%増)、営業利益は802億6千2百万円(前年度比73.8%増)。
  • 全事業の増収増益: デジタルエンタテインメント事業の利益率向上や新規タイトルの投入により、全ての事業で業績が堅調に推移。

7. 財政状態

  • 資産合計: 6,058億5千万(前年度比586億2千7百万円増)。
  • 負債合計: 1,784億7千2百万円(前年度比75億2千8百万円増)。
  • 資本合計: 4,273億7千8百万円(前年度比510億9千9百万円増)。

8. キャッシュ・フロー

9. まとめ

コナミグループは、デジタルエンタテインメント事業を中心に全ての事業で増収増益を達成し、過去最高の業績を記録しました。財務状態も堅調で、キャッシュ・フローも改善しています。今後の成長が期待される企業です。

事業セグメントの成長状況と利益率の動向

コナミグループ株式会社の2023年度の有価証券報告書に基づいて、新規に参入した事業セグメントやリスク要因について以下にまとめます。

新規参入事業セグメント

報告書には新規に参入した事業セグメントに関する具体的な記載はありませんが、コナミグループはデジタルエンタテインメント事業において主力コンテンツの利益率向上や新規タイトルの投入を行い、全体的に業績が堅調に推移したとされています。これにより、デジタルエンタテインメント事業が特に成長していることが示唆されています。

リスク要因の評価

コナミグループが直面する潜在的なリスクは以下の通りです:

  1. 新しい製品・サービスのリリースに関するリスク: 適時に新製品をリリースできない場合、売上や利益に影響が出る可能性があります。
  2. 競争に関するリスク: エンタテインメント市場は競争が激しく、新しい競合が登場することで競争優位が脅かされる可能性があります。
  3. 景気低迷に関するリスク: 景気の低迷が消費者の需要を減退させる可能性があります。
  4. 少子高齢化に関するリスク: 少子高齢化が市場に影響を与える可能性があります。
  5. 消費者嗜好の変化に関するリスク: 消費者の嗜好が急速に変化する中で、適切に対応できない場合、業績に影響が出る可能性があります。
  6. 法的規制に関するリスク: 各国の法的規制の変更により、ビジネスモデルや戦略の変更が必要になる可能性があります。
  7. 知的財産権に関するリスク: 知的財産の使用許諾が得られない場合や、侵害の争いが生じた場合、業績に影響が出る可能性があります。
  8. 製品・サービスの欠陥に関するリスク: 重大な欠陥が発見された場合、業績に影響が出る可能性があります。
  9. 企業買収または投資に関するリスク: 買収後の統合失敗や業績見込みの不達成によるリスクがあります。
  10. 人材に関するリスク: 有能な人材の確保ができない場合、業績に影響が出る可能性があります。
  11. 海外での事業展開に関するリスク: 海外事業における社会的混乱や政治的要因によるリスクがあります。
  12. 自然災害等に関するリスク: 自然災害がサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。
  13. セキュリティに関するリスク: サイバー攻撃やインフラの停止による情報システムの障害が業績に影響を与える可能性があります。
  14. 個人情報管理に関するリスク: 個人情報の漏洩がブランドイメージや業績に影響を与える可能性があります。
  15. 訴訟に関するリスク: 法的手続きが業績に影響を与える可能性があります。
  16. 不正行為に関するリスク: 大規模な不正行為が発生した場合、信頼やブランドイメージが毀損し、業績に影響が出る可能性があります。

結論

コナミグループは、デジタルエンタテインメント事業を中心に成長を続けていますが、様々なリスク要因が存在します。これらのリスクを適切に管理し、事業戦略を柔軟に調整することが、今後の業績にとって重要です。

配当履歴と配当政策

コナミグループ株式会社の2023年度の有価証券報告書に基づく配当履歴や配当政策、配当性向、将来の配当予想、配当利回り、そして過去との比較トレンドについて以下にまとめます。

1. 配当履歴

コナミグループは「株主重視の基本姿勢」として、連結配当性向30%以上を基本方針としています。具体的な配当金の金額は報告書には記載されていませんが、配当金の支払いがあったことが言及されています。

2. 配当政策

  • 基本方針: 連結配当性向30%以上を維持し、配当後の内部留保は将来の企業価値の増大と配当原資の拡大のために重点投資する方針です。
  • 株主還元: 株主、投資家、顧客、取引先、従業員、社会全般との良好な関係を維持し、教育、スポーツ、文化等への支援活動を展開しています。

3. 配当性向

配当性向は、親会社の所有者に帰属する当期利益に対する配当金の割合を示します。具体的な配当金の金額が記載されていないため、配当性向の具体的な数値は算出できませんが、基本方針として30%以上を目指しています。

4. 過去との比較トレンド

  • 配当性向: 過去の配当性向の具体的な数値は記載されていませんが、基本方針として30%以上を維持していることから、安定した配当政策が続いていると考えられます。
  • 利益の増加: 当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は591億7千1百万円(前連結会計年度比69.6%増)となっており、利益の増加が配当の増加に寄与する可能性があります。

結論

コナミグループは、安定した配当政策を維持しつつ、利益の増加に伴い配当金の増加が期待される状況にあります。具体的な配当金の金額や配当性向の数値は記載されていないため、詳細な評価は難しいですが、全体的には株主還元に対する姿勢が強い企業であると評価できます。